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ボスとジョルノの幻想訪問記
紅の十字架 そのE
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 アリスは叫ぶ。そして血の化身と成り果てたレミリアを人形を用いてむちゃくちゃに攻撃した。だが――――。

 ずぶっ。ずぶっ、ぬぷ。

「――――!?」

「手応えが無いだろう? 文字通り、私は今『血』だからね・・・・・・」

 レミリアの体はもはや血液の塊だった。いくら人形で攻撃しようとも無意味。

 と、『キラークイーン』がアリスの顔面に拳を入れた。

 パキョォ!

「ぐ、ぷ・・・・・・!? ぎ」

 血の腕では攻撃は出来ないが『スタンド』は物理。つまり、アリスにレミリアを攻撃する手段はなく、レミリアはその逆。

「・・・・・・顔面の骨・・・・・・それのどれかは知らないが、折れたようね。鼻か? 頬か?」

 正確には鼻っ柱だ。アリスは鼻から大量に血を噴出する。

「まぁ、どれでもいい。だがそれは私が折ったんじゃあない・・・・・・お前に恨みを持って死に、人形になりはてたフランドールが折ったと思え」

 レミリアは言葉続ける。動けないアリスに向かって静かに言葉を並べていく。

「この次は右足で蹴るが・・・・・・、これもフランドールがおまえを蹴ったものと思え。・・・・・・この次の次のも。この次の次の次のも。この次の次の次の次のも」

 レミリアは『キラークイーン』の拳に、足に力を込める。もはやアリスに為す術は無い――――。



「フランドールのぶんだあァァァァァーーーーーーーーーーッッ!!! これも!! これも!! これも!! これも!! これも!! これも!! これも!! これも!!」



 妹の恨みは姉の怒りに代わり、狂気に満ちた悪夢を粉砕した。

*   *   *

「お嬢様! その姿は・・・・・・!」

 美鈴はレミリアの戦いが終わったのを見て駆け寄ろうとするが、レミリアはそれを止めた。

「来るな美鈴ッ! いいから早く逃げろと、言ったでしょう・・・・・・! 私の命令を聞きなさい!」

 レミリアは、ばっ! と右腕を突き出す。だが、その腕はどろぉ〜〜っと崩れていき地面に落ちた。

「残された時間はあと30秒よ。もう爆破するわ・・・・・・何より、私はもう助からない」

 美鈴の目から見てももはやレミリアは限界だった。体を捨てて血だけで形状を維持するのはいくら吸血鬼といえど、不可能なことである。回復に回すはずのエネルギーを血の形状維持に使ってしまっているからだ。

「で、ですが、まだ!」

「違うわ美鈴。言いたいことは私の生き死にの次元じゃあない。敵はまだ死んでない。つまり、敵の能力は継続中よ」

「・・・・・・!」

 レミリアは自分の残された下半身を見る。それは僅かに透けていた。

「既に・・・・・・私も透明化が始まっている
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