紅の十字架 そのE
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ないだろう。勝手に口が動いたとしか言いようがない。ただ、それはレミリアが一番求めていた言葉だった。
「――――『キラークイーン』」
パチュリーの治療が完了した。そうか、あぁ、流石美鈴だよ。この状況で、死に行く私を焚き付けるのには一番の答えだ。
つまり、能力を思う存分使えるってことよね?
レミリアは意識を覚醒させて『立ち上がった』。体はまだ再生していない。下半身に至っては何もなかった。だが、立っていた。彼女の上半身を支える物は血だった。
「第一の爆弾ッ!!!」
そう唱えるとレミリアの周囲で爆発が起こった。『キラークイーン』がレミリアの流した他の血を爆弾に変えていたのだ。瞬時にゴリアテ人形ごと塵へと帰る。
「そんなッ!? 一瞬で私のゴリアテがぁ!!」
アリスは声を上げた。死にかけの小娘によって一瞬で戦力を失ってしまったのだ。
「お、お嬢様・・・・・・! その体は・・・・・・!」
美鈴は血の化身のような姿をした真っ赤なレミリアを見て呆然とする。まるで死人が動いているようだった。
「――――美鈴、命令よ。ここから逃げなさい」
レミリアは美鈴の方を見る。だが、その顔はもはやレミリアの物ではない。皮膚は殆どなく、目も無かった。先ほど人形に襲われたとき潰されていたらしい。その顔を覆う物はやはり、血。
その顔は美鈴に恐怖を与える。不吉な予感しかしない。
「今から1分後、紅魔館を爆破する。巻き添えを食らう前に逃げなさい。だけど、その前にちょっとでもいいから、あいつに――――」
『キラークイーン』は床にふれた。すなわち、『紅魔館』を爆弾化したのだ。
美鈴は答えられなかった。ただ、その場に立ち尽くすだけだった。分かってしまったのだ。言葉通り、数十秒にも満たない未来。レミリアは絶命する。
「ありったけの、恨みを」
彼女を動かすのは血の憎悪だった。
「お嬢様ァァァーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!」
「UUUURRRRRYYYYYYYYYYY!!!」
レミリアはアリスの居場所が分かっているかのように真っ直ぐ突っ込んできた。今のレミリアは敵を見ることは出来ない。だが、血は分かる。アリスが生身の人間だというのなら、血が通っている。その血の気配を頼りにレミリアは飛んだ。
「――――しま、った!? 蓬莱、ガード・・・・・・ッ!」
だが、レミリアの狙いはアリスではなかった。『キラークイーン』は目標の物体を見事に攻撃していた。
アリスが守るように背後に置いていた、霧雨魔理沙の人形の頭部を粉砕した。
「ま、ま、魔理沙ァァァーーーーーーーーーーッッ!! こ、の、クサレカスがァァァーーーーーーーーーーーーッッ!!!」
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