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ボスとジョルノの幻想訪問記
紅の十字架 そのE
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ミリアの投影イメージに過ぎない『キラークイーン』がレミリアの求める答えを提示することはあり得なかった。

 何が起きた、なぜアリスを爆破しなかった? と、レミリアが思っていると地面に落ちて動いていなかったシアーハートアタックが突然、走り出した。

「コッチヲミロォ〜」

「――――? な、何をしているの??」

 シアーハートアタックが走り出した方向には何もなかった。少なくともレミリアの視界には何も映っていなかった。

「・・・・・・待って、ど、どうして・・・・・・ッ!? 待てシアーハートアタック!! そこに『何』がいる!?」

 レミリアの意志とは関係なく射程圏内でもっとも高温の物体に向かって走るシアーハートアタック。スタンド能力に例外はなく、『絶対』である。つまり、そこには必ず高温の物体がある。

 しかも迷い無くシアーハートアタックはそこに向かっている。確実にアリスの体温より高温の物体があるのだ。何がある? 沸騰した水か? いや、高温の物体は突然現れた。直前までアリスを爆破しようとしていたのだから。誰だ? いや、何だ? 確実に人間の体温より温度が高い物体だ。たとえば――――そう、炎とか――――。


「――――禁忌『レーヴァティン』」


 シアーハートアタックが走り出してから数秒遅れてアリスがそう告げた。その声はレミリアの耳に届く。と、同時に

「――――ッ!?? ま、まずい、『キラークイーン』ッッ!! シアーハートアタックを解除しろォォーーーーーーーーッ!!」

 レミリアは分かった。そう、シアーハートアタックが向かう先にいるのは自分の妹の人形、フランドール・スカーレットの肉体だ。禁忌『レーヴァティン』はフランドールのスペルカード。狂気の炎を纏う凶剣を生み出す。もちろん、それは炎であるためかなりの高温だ。

 アリスはレミリアにフランドールを爆破させようとしていた。

「シアーハートアタック、解除ッ!!」

 すぐに『キラークイーン』をシアーハートアタックの元に向かわせ、右手に納めさせた。だが、その間ほとんどレミリアは無防備だ。何より焦っていた。妹を愛するが故、死んだ妹の亡骸を爆破することは不可能なはず、と読んだアリスの作戦は予想以上の効果を上げた。

 焦りは隙を生む。

「その焦りは注意を散漫にする――――。自分の周りに人形が迫っていることにも気が付かないほどに、ね」

「――――は?」

 ビュゥウン、と風を切る轟音がした。巨大な何かが空を切る音だ。自分の真上でした気がする。いや、それを認識するよりも早く、早く、レミリアの体は地面に無慈悲にも潰された。

 ゴシャァッ!!

「ゴリアテの腕よ。思いっきり殴れば人間一人くらい軽く骨まで粉砕できるわ」

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