紅の十字架 そのE
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夜咲夜とパチュリー・ノーレッジがいる。万が一にもレミリアが攻撃してきた場合の交換材料にもなる。
「・・・・・・もうすぐ夜が明けるな」
妹紅はそう言ったがそれっきり。それ以上両者に会話はなかった。
* * *
紅魔館地下、フランドールの自室で繰り広げられているのは破綻した論理で紅魔館を攻めてきた透明の人形使い、アリス・マーガトロイドと妹を殺された恨みを晴らそうとする永遠に紅き幼い爆弾魔、レミリア・スカーレットとの戦いである。
『リンプ・ビズキット』の付属効果でフランドールや魔理沙のスペルを二人の肉体の人形を介して間接的に扱えるアリスはあと一歩と言うところまでレミリアを追いつめた。だがレミリアは会話の中でアリスが透明なだけの人間であることに気が付き、体温があることを見抜くと形勢が逆転。『キラークイーン』第二の爆弾、シアーハートアタックを発動させた。
アリスは何とかシアーハートアタックを止めようとするが、もっとも温度の高い物体を爆破するまで止まらないシアーハートアタックに徐々に追いつめられていく。レミリア本体を先に殺そうとするもあえなく失敗し、アリスは絶体絶命のピンチに陥った。
パキィィンン!! と、ゴリアテ人形の両手に握られている二振りの両刃剣が砕け散る。
「・・・・・・刃が・・・・・・折れた!?」
鋼鉄製の刃が粉々に砕かれた。これ以上ゴリアテでシアーハートアタックは防げない。
「――――コッチヲミロォォ〜〜〜!!!」
ズギャズギャギャギャッ!! と壁を砕きながら登ってくる爆弾戦車に対してアリスはもう打つ手がなかった。ゴリアテでさえ止めきれない戦車だ。手持ちの小さな人形でどうこうできる相手じゃあない。
「終わりよアリス・マーガトロイド!!」
ほぼ再生が完了した左手でビシィ! とシアーハートアタックの方向を指さしてレミリアは華麗に言い放った。
既にアリスの眼前にシアーハートアタックは迫っている。
「――――ッ!!」
ついにシアーハートアタックが光始めた。もうまもなく爆発する。アリスを完全に追いつめた。レミリアの勝利だった。
「取った!!」
ピカァァ! とまばゆい光を上げたシアーハートアタックは――――。
どすん。
「――――え??」
一瞬何が起きたかレミリアには分からなかった。シアーハートアタックは爆発寸前だった。だが、一体全体どういう現象なのか、シアーハートアタックは爆発せずに壁から地面に落ちたのである。
「・・・・・・な、どうしたのよ!? 『キラークイーン』ッ!!」
レミリアは背後の『キラークイーン』を睨んだ。だが彼女に『スパイスガール』のような自我はない。ただのレ
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