紅の十字架 そのE
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主人だった人物だ。きっと心にできた隙間は大きいはずである。
ジョルノは「どういたしまして」と、優しく笑顔を美鈴に向けた。
三人は永遠亭にようやく帰ってきた。あれから丁度一日が経過しているが。
「・・・・・・何もなければいいんだけどな」
妹紅はそう呟いてからドンドンと、扉を叩いた。
「おーい、てゐ! いるか? ちょっと手伝ってくれ」
しばらくすると、永遠亭の中からドタドタと慌ただしい足音がして――――。
「いっらしゃい!! 今は営業時間外だぞっ!」
見た目年齢7歳くらいの可愛い小さな幼女が中から元気よく現れた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
三人はお互いの顔を見合わせる。勿論、誰一人としてこんな幼女は見たことがない。どういうわけか、大人用のそのちんまりした体には似合わない白衣を身に纏っているが・・・・・・。
「え〜〜っと、ちょいとお嬢さん。お医者さんごっこかな? 何でここにいるのかな・・・・・・?」
妹紅はその幼女の目線の高さに合わせてしゃがんだ。ひきつっているが笑顔を作っている。頑張れ妹紅。
「何で・・・・・・って何で? ここは私のおうちよ?」
流石の妹紅もこの幼女の発言には首を捻らざるを得ない。後ろの二人も疑いの目で幼女をにらんだ。だがその白衣を着た幼女は純粋そうな瞳で妹紅を見つめ続ける。
「・・・・・・新しい妖怪ウサギか?? てゐが助手でも頼んだのか・・・・・・えっと、てゐっていう人知らないかな?」
そう思いながら妹紅はにっこりと笑って幼女に問いかける。するとその子は「う〜んと、ね」と言って指を頬に当てながら永遠亭の方を振り向いて
「て〜〜〜〜ゐ〜〜〜〜ちゃん!」
と可愛らしくてゐの名前を呼んだ。すると今度はバタドタガッシャンとかなり慌ただしくてゐが玄関にすっ飛んできて
「どう、ど、どう、どうしました『永琳』様ッッ!!??」
その場にいない人物の名前を叫んだ。そして息を整えて玄関先にいる三人を見つけるとサァァーーーッという音が鳴りそうな勢いで顔面が蒼白し
「・・・・・・お、おかえりウサ・・・・・・」
「・・・・・・寝起きだろお前。寝癖すんごいぞ」
てゐは「ははは・・・・・・」と苦笑いしながら右手を挙げた。
「いや、妹紅突っ込むべきところはそこじゃあない。っていうかわざとでしょう今の」
ジョルノがずい、と前に進み出る。
「・・・・・・そ、そうだな・・・・・・うん。わざとかもな・・・・・・」
妹紅は首を傾げている。まさか、いや、そんな、どうした?
「・・・・・・?」
玄関の外に妹紅とジョルノと美鈴、玄関
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