紅の十字架 そのD
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ていた。だが、先ほどのジョルノの顔面に落ちてきた奴は真っ先に『目玉を潰そうとしてきた』。すぐ近くに頸動脈があったにも関わらず、血を抜くには非効率的な『目玉』を攻撃したのである。
思えば咲夜の右目が無かったのも、これが理由だ。奴らは血を抜くことを原動力に襲ってくる。これは間違いではないが、それは目的ではなく結果なのだ。
この透明のゾンビたちの行動の原動力は生物を生物じゃなくすること。『血を抜いて』しかも『目玉を抉って』目的の完遂なのである。
なぜ目玉を抉るというプロセスが必要なのかは考えても仕方がない。そうではなく、ジョルノの考えが行き着いたのは「奴らが標的としているのは血ではなく生物だ」ということだった。
だから共食いをしないのは、奴らはゾンビで『生きていないから』ということになる。
「――――つまり、最も近い生物を攻撃する。じゃあ、奴らの最も近いところに『生命』を作ればいい――――」
ジョルノは『ゴールドエクスペリエンス』を用いて水音が立つ所を無茶苦茶に殴る。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ、無駄無駄無駄無駄ァァッ!!」
『ゴールドエクスペリエンス』が殴ったのは近付いてくるゾンビそのもの。
「だけどこいつらは生物じゃあない・・・・・・よって『ゴールドエクスペリエンス』の能力は精神を暴走させる方向には働かず――――『生命を生み出す』方向に転じるッ!! 生まれろ、生命・・・・・・」
ジョルノが言い切ったとき、美鈴の耳に血の水面をバシャバシャと歩く音が消えて――――。
ばしゃッ!! と、何かが倒れる音がしたのだ。
「――――!? さっきまで近付いてきた奴らが『倒れた』!?」
「奴らの体の半分を別の生き物に変えた。つまり、一番近い生物はどうあがいても自分の半身になる。――――予想通り、『どうすればいいか分からなくなっている』んじゃあないんでしょうか?」
美鈴は息をするのも忘れてジョルノの鮮やかな手法を見入っていた。何という機転の良さ、臨機応変な思考。味方にいるときはこれほど頼もしい能力の使い手はいないだろう。
「さて、すぐに妹紅を助けに行きましょう」
こいつは敵に回しては行けない、と美鈴は頭のどこかでそんな考えが浮かんでくるのを感じた。
* * *
一方妹紅はというと、依然として敵に囲まれていた。
「・・・・・・美鈴の奴、あれでジョルノが死んでたらどうすんだよッ!!」
妹紅は手首、肩、右足から血を流していたが、それ以上の出血は無かった。なぜなら――――
「『スパイスガール』、あんたのおかげでこいつらの血管を破裂させる攻撃は無効に出来たわ。ありがとう」
自分の体を柔らかくして、血管が潰されないようにしてい
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