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ボスとジョルノの幻想訪問記
紅の十字架 そのD
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夜から血が出ているッ!!」

 だが、それはジョルノにも言えることだった。ふと気が付くと背中にドロリ、と何かなま暖かい液体が流れている。

 それは自分の血ではない。背負っているドッピオの血だ。

「う、うううううううおおおおおおおおおッ!??」

 焦りからか、ジョルノはらしくない声を上げる。

「ジョルノォォーーーー!! 気を付けろッ!! 壁にもいるッ!! 天井にもいるッ!! こいつらに上下の区別はないッ!! 上から落ちてきて当たった人間の血を問答無用で抜いてくるんだ!!」

 どうやら背後にいる妹紅もピンチのようだった。壁についていた右手の手首から大量に血が吹き出している。

「く、ジョルノさん、妹紅さんッ!!」

 最初に拘束を抜け出したのは美鈴だった。まず彼女は肩に乗っていた敵を素早くいなし、血管を掴ませる前にふりほどいた。そして背負っている咲夜を前に抱いてぶしゅう・・・・・・と血が流れている箇所を掴む。そこには透明の何かがいたのだ。美鈴はすぐにそれを引き剥がし、投げ捨てた。足下の血だまりが跳ねたところには透明の敵がいる――――と分かり、辺りを見ると常に足下は波立っていた。つまり全方位に敵がいるのだ。その中でも比較的密度が薄い場所を捜し当て、一気に突破。一際大きな弾幕を一発打ち出しそれを盾にしながら包囲を抜けていたのだ。

 そうして振り返ってみるとまだ妹紅が厨房と廊下の境目で悪戦苦闘していた。だが更に状況が悪かったのはジョルノで、彼自身はそうでも無さそうだったが背中に背負っているドッピオから血が流れていた。彼はさっきの応急処置の状態で既に血が足りなくなっていたはずだ。これ以上流すのはかなりマズイ。

 美鈴は懐からスペルカードを取り出しドッピオの周りにいる透明の敵に向けて迷い無く発動。

「気符『星脈弾』! これで二人を・・・・・・!!」

 彼女の目の前に青白いエネルギー(たぶん気)が凝縮していき両手を突き出して発射。軌道上にいる敵ごと弾き飛ばし・・・・・・ジョルノに被弾。

 ジョルノに被弾。

「やっべ」

 美鈴は弾幕系統は苦手だった。

「『やっべ』じゃあねぇぇえええ!! 何やってんだァァーーーーーッ!!」

「ぐぅ!? がッ!!」

 ジョルノは何が起こったかよく分からずそのまま大きく遠くへぶっ飛ばされた。

「よ、よし! こ、これでひとまずジョルノさんを包囲から抜け出させることは出来ましたわ! 結果オーライですわ!」

「嘘を付くなァァーーーーーーーーッ!! 口調変わってんじゃあねぇか!!」

 妹紅は美鈴が冷や汗をかいて目が泳いでいたのを見た。一般人に弾幕を間違えて当てるとか、美鈴は本当に弾幕ゲームのボスなのか?

「そもそも格闘ゲーム向きなん
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