紅の十字架 そのD
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て地面に落ちる前に消滅した』ってことでしょうか?」
妹紅は頷いた。明らかに敵は火に弱かったのだ。
「じゃあ、それが分かったからって一体なんだって言うんですか?」
「いいか、美鈴。お前のゾンビの知識はイコールキョンシーだから分からないかも知れないが、一般的にゾンビは『伝染する』って慧音が言ってた。西洋の知識らしいが・・・・・・」
妹紅の頭は珍しく冴えていた。
「・・・・・・私が考えているのはここにいる妖精メイドは全員ゾンビになってしまったという結末だ・・・・・・だとしたら説明がつく」
「それなら血を抜かれても一回休みにならずに生きている・・・・・・。それに、ドッピオやパチュリーさんの『血管が破裂』という怪我も、敵が生きている人間の血を抜いてゾンビ化をさせようとした結果という訳か・・・・・・。なるほど、ゾンビ説は筋が通ってますね」
ジョルノと美鈴は納得したようだった。だが、妹紅の説明はまだ全てを明白にしきれていなかった。
じゃあ妖精メイドが仮に血を抜かれてゾンビになったとして、この厨房にいないのは何故か? という疑問だった。全員が既にゾンビとして紅魔館内部に広がるように出ていったかも知れないが――――。
「・・・・・・私は今『最悪』をイメージしちまってる・・・・・・。どうしようも無いほど、『最悪のイメージ』を・・・・・・」
妹紅の声は震えていた。
「・・・・・・つまり、その・・・・・・妖精メイドは厨房からいなくなったんじゃあなくてだな・・・・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
その言葉にジョルノと美鈴も妹紅の考えが分かってしまった。――――と、同時にバタン、と厨房の扉が独りでに閉まった。
閉じこめられてしまった。誰に?
「・・・・・・いなくなったんじゃあなくて・・・・・・『見えなくなった』んだよ・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
悠長に説明している場合じゃあ無かった。三人は一目散に厨房の扉に走るッ! だが――――。
「ぐ、ぐぎぎぎぎッ!! 何でよ!? と、扉が重いいいいい!!」
「外から誰かが押さえてるのか!? は、早く脱出しないと・・・・・・」
と、焦る三人の背後からザブザブと何かが近づいてきていた。
「・・・・・・」
「・・・・・・クソ!! 妖精メイドは声が出せないのか!? ドッピオの下にいた奴のようにうなり声を上げててくれればすぐに気づいたのにッ!!」
近付いてくる音は一個や二個ではない。何体、十何体と近付いてきていた。
「美鈴ィイイイイイイイーーーーーーン!!! は、早く扉を開けなさいよォーーーーーーーッ!!!」
「うぎぎぐぐがぎ
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