紅の十字架 そのD
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含めて全員だった。こんなに大量の血が流れているのだ。全員が全員、厨房の中は相当悲惨な状況だと思っていたのに。二階で様子を見ていた二人も、美鈴がパチュリーと咲夜の二人を両肩に抱えながら降りてきた。ばしゃばしゃ、と血が靴の中に染み渡る。かなり不快だったが今はそんなことはなりふり構っていられなかった。
二人も厨房の中の様子を確認して愕然とする。妹紅の言うとおり、厨房には血しかなかった。
「・・・・・・お、おかしい。こ・・・・・・こんなことがあるわけがない」
美鈴は首を振りながら厨房の中に入った。妹紅とジョルノもそれに続いて中を探そうとする。
これだけの血液だ。絶対に死体があるはず。
「・・・・・・あ、美鈴。パチュリー置いてっちゃってたな」
妹紅が美鈴の肩に担がれているパチュリーを再び背負い
「・・・・・・一回休みってことじゃあないのか?」
ふと思い出したように美鈴に尋ねた。そうだ、一回休みなら死体は残らない。ジョルノも得心がいったが美鈴は首を横に振った。
「・・・・・・いや、一回休みならその妖精にまつわるもの全てが蒸発して消えます。だから血液が残るはずがありません」
否定する。一回休みなら血も全て蒸発するという。だからこれほどの血が流れているのは一回休みにならずに殺されたか――――。
「これだけの血を抜かれて妖精メイド達はまだどこかで生きている――――って言いたいんですか? まさか、明らかにこの量は普通の人間20人分以上の致死量ですよ・・・・・・?」
ジョルノは美鈴の言葉を先に述べ、また否定する。
「そうですよね・・・・・・まさか、どこかの宮古さんでもあるまいし」
「宮古?」
ジョルノが聞きなれない美鈴の発した単語に反応する。
「あ、あぁ。えっと、宮古さんはキョンシーって言って私の祖国で有名なゾンビです。この前一緒に肉まん食べました」
と、美鈴の単語に今度は妹紅が反応した。
「・・・・・・ゾンビ・・・・・・。・・・・・・あながち間違いじゃあないかもしれないぞ」
もちろん、ゾンビはジョルノでも知っているものだ。腐った動く死体で、ノロマ。不気味な唸り声をあげて生きている人間の生を食らうという・・・・・・。
「・・・・・・ゾンビは総じて火に弱い。だけど打撃や剣撃には強い。ドッピオに括りつけられていた透明の敵もそうだったが、ナイフで刺されたりしても全然元気だった。でも、私の炎ですぐに消滅しただろう?」
「確かに、さっき妹紅が蹴った奴もすぐに消滅してましたね」
「そうだ。さっき蹴った奴は体感で言えばかなり小柄で、明らかに私の蹴りで大きくぶっ飛んだはずだ。だけど着水音がなかったんだ」
「・・・・・・つまり、『蹴り飛ばされ
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