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ボスとジョルノの幻想訪問記
紅の十字架 そのC
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 ボスとジョルノの幻想訪問記 第27話

 紅の十字架C

 弾ける弾幕。閃光と光線。次々と飛来する赤白青緑。普段のレミリアなら避けることは出来たはずだ。

 だが、今の彼女はかなり動揺していた。愛するたった一人の妹が死に、しかもその死体が透明な人形となって襲いかかってきているのだ。

 禁弾『スターボウブレイク』。確かに、何度も何度も姉妹喧嘩の中で見てきたスペルカードだ。避けるのに一苦労する。色ごとに弾速が違っていて、特に私は青色の弾を避けるのが苦手だ。フランドールが好んで使う、彼女にしては綺麗な弾幕。

 それを今、敵が我が物顔で使っている。さも当然のように、武器にして私に攻撃する。妹がいなくなった動揺もあるが、敵に対する怒りの方が大きかった。

 右肩に被弾すると、右腕が吹っ飛んだ。流石は私の妹の弾幕だ。攻撃力は申し分ない。そういえば久しく姉妹喧嘩などしていなかった。皮肉にも、これが最後の姉妹喧嘩になるかもしれない。

「・・・・・・」

 アリス・マーガトロイドはなるべく声を発さないようだ。自分の位置を敵に教えるようなものだからだろう。

 フランドールの弾幕を回避しているつもりだったが所々被弾してしまっている。アリスの方に注意が向いて、うまく回避に集中できていない。左足が消し飛んだ。

 だが、すでに右腕は回復している。翼さえ傷付かなければ飛翔には問題ない、と思っていた矢先に右翼がもげた。

 私は地面へと落下した。落下している途中、弾幕の何発かが命中した。どこに当たったかは痛すぎて覚えていないが、地面に当たったときには右腕しか残っていなかった。

 ・・・・・・いつの間にかかなり不利になっていた。たとえ魔理沙やフランドールのスペルを使えようとも、アリスごときに後れを取るはずがないと思っていた。無論、左腕両足両翼をもがれた今でも思っているし、私がこんな場所で死ぬはずはないと思っていた。きっとフランドールでも同じことを思うだろう。

 ――――だって私は吸血鬼――――。

「――――そうよ」

 アリスが地面に落ちた私に向かって声をかけた。馬鹿め、折角透明なのだから大人しく黙っておけばいいものを。

 しかし、アリスは構わずに話を続ける。

「貴方の妹も今の貴方と同じ目をしてたわ。まさか自分がこんなところで死ぬはずがない、と。だから彼女は死ぬまで勝てる気でいたし、誰にも助けを求めようとはしなかった」

 どうやらアリスはフランドールを殺したときの話をしているようだった。非常に不愉快だ。

「だからフランドールは死んだ。私に殺されて、魔理沙の『オトモダチ』になれた。他の誰にも、その死ぬ瞬間を看取られもせず、ただ、孤独に、死ぬはずがないと思いながら、無惨に」

 それはそうだ
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