紅の十字架 そのC
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・・・や、刃が折れた・・・・・・?」
鋼鉄製の刃が折れるなんて事態を全く想定していなかったアリスにもう打つ手は残されていなかった。
「コッチヲミロ〜!!」
今度のシアーハートアタックはジャンプはせずに、凶悪なキャタピラを乱回転させて壁を抉りながら登ってきた。
「そんなッ!! 壁を、壁を垂直に上がってくるなんて、考えられないィーーーーッ!!!」
「貴様等も壁とか天井とか立ってるでしょうに・・・・・・。まぁ、いい。食らえッ! 『キラークイーン』第二の爆弾ッ!!」
ズギャギャギャガガギャギャガガと派手な破壊音を上げながらシアーハートアタックはついにアリスの目と鼻の先まで到達するッ!!
「コッチヲミロォ〜〜〜!!!!」
シアーハートアタックが白い光を放つ――――。
* * *
ジョルノと妹紅の迅速な処置によりパチュリーと咲夜の応急処置は完了した。だが、咲夜の右目はジョルノであっても治せないようで(複雑な人体パーツの修復はまだジョルノの医学知識では不可能だった)、残りの傷はフランドールの能力に任せる、という結論に至った。
「じゃあ、私は咲夜さんを。二人はパチュリー様とドッピオを運んで脱出しましょう!」
美鈴は目を覚まさない咲夜を抱えて二人に言った。
「・・・・・・異論はないな。ジョルノ、私がパチュリーを抱えるからお前はドッピオを頼む。ホラ、男だから」
妹紅のその一言にジョルノはむっとして
「何だか疑われてるっぽいですが、僕はドサクサに紛れて女性の体を触るなんてことはしませんからね」
「・・・・・・念のためだ」
とにかく、ジョルノがドッピオを。妹紅がパチュリーを。そして美鈴が咲夜を背負って紅魔館を脱出するということで。
「いいですか。今のところ館内にそこまで敵はいませんが・・・・・・一つ忠告しますね」
部屋を出ようとしたときに美鈴は二人の方向を振り返って忠告する。何事か? と思っていると。
「厨房はヤバいです。絶対に厨房のドアを開けたりしないでくださいね」
ちなみに厨房は一階の階段付近にあります、と美鈴は付け加える。
「紅魔館の構造上、外に出るには厨房の前を通らざるを得ないようだが・・・・・・開けるなってことは何かがいるのか? その中に」
「いえ・・・・・・実際に中は見ていませんが・・・・・・。と、とにかく厨房前を見れば分かると思います」
美鈴の説明は曖昧だったが、美鈴自身、アレをどう説明すればいいか分からなかったのだ。
「――――行きましょう。お嬢様たちがもう待ってるかも」
美鈴は部屋のドアを開けて廊下を走る。二人もそれに続いて走った。紅魔館の廊下はどこかに敵が潜んでいそうな気配が漂
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