紅の十字架 そのC
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
まらないッ!!
「コッチヲミロォ〜!」
シアーハートアタックは一切の迷い無くアリスのいる方向に突き進む。
「・・・・・・戦車というのなら」
ズガガガガガッ! と地面を削るような勢いでキャタピラを回す爆弾戦車。
だが、アリスは至って冷静だった。すぐに踵を返し、魔理沙を抱えて壁に足をかけた。
「壁には上れないはずッ!!」
二歩、三歩、四歩と壁を掛け上がるアリス。彼女は『リンプ・ビズキット』の影響で上下の区別が無くなっている。よって壁にも天井にも自由に立つことが出来るのだ。
だが、レミリアは逆に微笑んだ。
彼女のシアーハートアタックが空や壁に逃れるくらいで無効になるのなら『弱点はない』などという肩書きはかけない。
「これは初めて言うが・・・・・・、――――我がシアーハートアタックに弱点はない」
「!?」
「コッチヲ・・・・・・ミロォォ〜〜ッ!」
アリスが壁を掛け上がるが、シアーハートアタックはそれを追撃するかのように勢いよくジャンプしたッ! まさか戦車がジャンプをするとは思わなかったアリス。レミリアには見えないが彼女は確かにヤバイ、という風に目を見開いた。
「木っ端微塵に砕け散れッ!!」
「――――そうはいかないッッ!!」
と、アリスは自身の切り札でもあるスペルカードを切る。
「完成体『ゴリアテ人形』」
彼女の切ったスペルはかつて氷の妖精に一度だけ試作段階で使ったことがあり、最後は力を制御できずに爆発した『人形を巨大化させる』スペルである。巨大化した人形はどういう種類であれ、一律して『ゴリアテ』と(ゴツい)名前を付けられ、両手には二本の巨大な剣が握られる。
巨大化させたのは手元にあった上海人形だが――当然、ゴリアテになっても透明のままである。一見では何が起きたかレミリアには分からなかったが、明らかに巨大な何かによってシアーハートアタックの進行が妨げられた。空中でジャンプしていたこともあってゴリアテに当たったシアーハートアタックは簡単に弾かれ地面に落ちる。
地面に落ちたシアーハートアタックはすぐに再びアリスを目指し突撃しようとする。それを見たアリスがゴリアテを操って足でそれを踏みつける。
「ぐっ、これだけ質量差があって・・・・・・止めるのが精一杯だなんて!」
「・・・・・・コッチヲミロォ〜」
だが、戦艦のようなゴリアテの踏みつけでもシアーハートアタックはひしゃげることなく、進撃を続けようとする。それを見たレミリアは、まだ行ける、奴にはシアーハートアタックを止める術はない! と確信する。
ぐぐぐぐぐぐ・・・・・・、とゴリアテは片足に全体重をかけてシアーハートアタックを押さえ込もうとするが止まる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ