紅の十字架 そのC
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ろう。フランドールは誰かに助けを請うなんてことはしないし、そもそも誰かに助けられるほど弱くない。
「誰もが劇的な死を迎えられない。私や魔理沙も、ただのその辺の男に殺されたし、貴方の自慢の妹は誰にも見られず、一切の描写もなく、いつの間にか死んだ」
そうだ、フランドールはそういう子だった。無邪気で、私以外には心を開かず、常に一人で戦っていた。そういうことを好んでいる節もあったし、だから一人で死んだのだろう。
フランドールは気付かれないうちに死んだ。
「でも、安心して? 死んだ彼女は魔理沙の幸福に役立つし、彼女自身もきっと幸福だから」
――――その時の心情はきっと今の私みたいに――――。
無念だったんだろう。
「――――『キラークイーン』、第二の爆弾」
私は残っている右腕を挙げて『キラークイーン』を出す。その右拳はただの拳ではなく、爆弾の戦車。
アリス・マーガトロイド。お前の体には声が肉声であることから血が通っているのは分かった。つまり、お前は死んだと言っているが復活して『まだ生きている』。人形ではなく、アリスはまだ透明なままの人間だ。
だとしたら、奴の透明化した人形を操るという能力を止めるにはこの方法しかない。
「・・・・・・狙いはッ!! 貴様一人だッ!!」
『キラークイーン』の腕から放たれたソイツはドクロの顔を模しており、下部にはキャタピラが着いている。銀の戦車ならぬ、爆弾戦車。
「アリス、貴様が人間だとしたらそれはつまり貴様には『ある』ということだ・・・・・・」
私の冷えきった体とは対照的にッ!!
「・・・・・・なっ、真っ直ぐこちらにッ!?」
戦車はアリスだけが持つ『あるもの』に反応して、突進する。もちろん、アリスは自分の場所は正確に把握し切れていないだろう、と思っていたため迷いもなく突っ込んでくる戦車に面食らった。
名前は『シアーハートアタック』。
「シアーハートアタックだッ!! 貴様の体温を追跡するッ!!」
血塗れの体を起こして私は高らかに宣言した。
体温、というよりこの場で最も高温なものに突っ込む習性があるシアーハートアタックは標的を察知すると必ず爆破するまで追い続ける。最初からこの手を使わなかったのは、元から吸血鬼は体温が低いがアリスも人形ならば自分に向かってくる恐れがあるからだ。人形には血が通っていない。つまり体温がない。だが、アリスの声を聞く限りあれは肉声だ。つまりアリスだけはまだ人間だという証拠。
そしてッ!! アリスだけが人間だというのなら、アリスがいくら人形でシアーハートアタックを止めようとしてもアリス自体を爆破するまで止
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