暁 〜小説投稿サイト〜
ボスとジョルノの幻想訪問記
紅の十字架 そのB
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 ボスとジョルノの幻想訪問記 第26話

 紅の十字架B

 午前3時31分。

 ドッピオが目を閉じる直前に部屋に入ってきたのは、ジョルノと妹紅だった。二人の目には部屋の中央でドッピオが地面から10センチ程度浮いているように写っただろう。

「ドッピオ!!」

 ジョルノはすぐに彼の元へと近付いた。と、ドッピオが実は透明の何かの上に倒れているのが分かる。

「KOAAAAA!!」

「――――ッ!?」

 妹紅も扉を閉めてすぐに二人の元へ駆け寄った。

「ドッピオの拘束を解いて離れてろジョルノ・・・・・・。下にいる『何か』私が消滅させる」

 妹紅のジョルノは頷き、彼と下の何かを固定している両肘のナイフを抜いた。

「KOOOOOOAAAGHHHHHッッ!!!」

 同時に透明の何かが声を上げて立ち上がろうとするが――――。


「最後の言葉はそれでいいか? ――――蓬莱『凱風快晴 ーフジヤマヴォルケイノー』」


 妹紅のスペルカードによってそいつは何かを言い残すこともなく、一瞬で消し炭になった。

「・・・・・・妹紅ッ!! 終わったんならこっちに『血』をお願いしますッ!! 『ゴールドエクスペリエンス』!!」

 ジョルノはドッピオの首元を凝視する。そこからは絶えず血が噴水のようにこぼれ出ており、一刻の猶予もない状況だった。

 スタンドで糸切れを『血管』に変える。もちろん、ジョルノに破裂した血管を塞ぐ手術能力は無い。だが、ドッピオの頸動脈は空気中に出た状態で破裂しており、ジョルノはそれを掴んだ。

「破裂を縫合するのではなく! 新しい道を作る発想!」

 ジョルノは破裂した血管の辺りを『GE』で綺麗に切断し、すぐに新しい血管をそこに差し替える。だが、まだ不十分だ。そこで用いるのが――――。

「私の血だ! 蓬莱人の血は傷口に実によく馴染む!」

 妹紅は落ちていたナイフで指を切り裂き、ドッピオの傷口に馴染ませる。するとものの数秒で――――。

「・・・・・・塞がった」

 ドッピオの首の傷は塞がった。だが、大量に血を流しているせいで意識がない。

 その後、足首と両腕の肘の応急処置も完了し二人は息を着く。

「――――意識は失っていますが、おそらく大丈夫です。ですが早く輸血処置を行わないと後遺症が残る恐れがあります」

 ジョルノはそう言ったが一旦は安心である。妹紅が「そうか」と胸をなで下ろした時、ドアが開かれた。

「妹紅、ジョルノ!」

 入ってきたのは紅美鈴。彼女は少し前にレミリアから命令を受けてこの部屋にやってきた。

「美鈴さんじゃあないですか。普通に元気そうですね」

「あ、ありがとうございます。・・・・・・じゃなくて
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ