紅の十字架 そのA
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ボスとジョルノの幻想訪問記 第25話
紅の十字架A
ドッピオは何かがドアを開けてこの部屋に入ってきたことを理解している。さらに、その『何か』は目の前にいる筈なのに姿が見えない。
つまり、透明なのだ。
(と、透明の敵・・・・・・! だが、足跡のペースから察するに・・・・・・動きは緩慢だ!)
ひたっ、ひたっ・・・・・・と、一定のゆっくりとした足取りでドッピオに向かってくる透明の敵。時折「KOAAAAAAAA・・・・・・」と長い溜息のような声を発している。
いくら透明でも、場所は丸分かりだ。
「『墓碑名』ッ!!」
ドッピオは自分の射程圏内に入ったであろう敵を『墓碑名』の拳で殴りつける。
ドゴォッ!! と、ドッピオの予想をいい意味で裏切るヒットだった。なんと敵は避けも防ぎもせず、ドッピオの拳を受けたのだ。いくら、ドッピオといえど『墓碑名』の腕はパワーAの『キングクリムゾン』の物である。右腕しかないが、その拳の強さは『ゴールドエクスペリエンス』よりも上だ。
「・・・・・・何だ? 弱っちいな・・・・・・」
これなら未来を想定しつつ多面的な思考を使う必要もない。『墓碑名』のごり押しで十分だ。
「勝てるッ! いくら姿が見えなかろうと、テメェー自身が弱けりゃ意味は無ェーーーッ!!」
ドッピオはベチャっと倒れた透明の敵に向かって更に追撃をかけた。足で踏みつけ、『墓碑名』の右腕によるラッシュをかける。
「オラオラオラァアーーーーーッ!!! 消え失せろやクソがァァーーーーーーーッッ!!!」
怒号を発して見えない何かに怒濤の攻撃を浴びせる。十分な手応えだ。最後に右足で思いっきり蹴り抜いた。
「は、ハァ・・・・・・! どうだ、てめぇ・・・・・・雑魚の癖に、この俺をびっくりさせやがってェ〜〜〜・・・・・・」
とにかく、これで危機は去っただろう。と、ドッピオは咲夜とパチュリーの眠っているベッドを見る。大丈夫だ。特に変化は無――――。
ブシュゥ・・・・・・。
右足に不自然な痛みを感じてドッピオは足下を見る。
「・・・・・・な、ん・・・・・・だよッ!!」
何かに足を掴まれていた。いや、間違いなくさっきまでドッピオが攻撃していた見えない敵である。こんなに早く動けるとは思っていなかった。
「ぐッ・・・・・・くそッ!! さっさと死ねよクソッタレがァァーーーーーーーッ!!」
右足を掴む力はかなり強かった。あまりの強さに右足首の血管が破裂していたのだ。ドッピオの足から勢いよく血が流れる。その血は見えない何かの腕を伝っていった。伝っていった血は見える。
すぐドッピオは逆の
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