紅の十字架 そのA
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の胃から異物が這い上がってくるような感覚。美鈴は口を押さえてその場から逃げ出すように走った。
はっきりと理解してしまった。妖精メイドは姿を消したんじゃあなかった。
「お、ぷ・・・・・・うっ、・・・・・・ッ!」
こみ上げてくる嘔吐感を喉の奥で我慢して美鈴は厨房を後にした。向かった先はフランドールがいるはずの地下室である。
気配察知の情報ではあるが、フランドールと思われる気配は地下室から一向に動く気配はない。
と、途中でレミリアと再び出会った。
「美鈴!」
「お、お嬢様ッ! ご無事でしたか・・・・・・!」
聞くところによると来ていた二人組は敵ではなかったという。名前を聞いて美鈴は再び驚愕した。
「ドッピオって奴を連れ戻しに来たらしいわ。・・・・・・他に何か目的がありそうだったけど」
「・・・・・・じゃあ二人はお嬢様の部屋に?」
美鈴がそう尋ねるとレミリアは首を縦に振った。美鈴はそれを聞いて安堵の声を漏らす。
「どうしたのよ? 顔見知り?」
その様子にレミリアは疑問を投げかけた。
「はい。それに二人ならパチュリー様への応急処置も可能でしょう」
その言葉にレミリアは顔を上げた。
「それはいいこと聞いたわね・・・・・・。殺さなくて正解だったわ。それで、そっちは?」
美鈴は先ほどのことを全てそのままレミリアに伝える。彼女は美鈴の言葉に一度眉を動かしただけだったが、すぐに美鈴にパチュリー達の元へ行くように命令した。
「そしたら全員を速やかにここから脱出させなさい。私も地下にいるフランドールを連れて出てくるわ」
「だ、脱出ですか? 分かりました」
美鈴は困惑しながらも了承した。二人はそれぞれ、向かうべき道に走っていった。
午前3時30分。
第26話に続く・・・・・・
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