紅の十字架 そのA
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人死んでるらしいが・・・・・・それが家庭の事情なのか?」
「承知済みよ。あんただってすぐに死ぬじゃあないの」
レミリアの返答に妹紅はギロっと睨んだが、無視。
それよりもまず排除すべきは透明の敵だ。レミリアはすぐに屋敷内に戻ろうとする。
それを呼び止めたのはずっと黙ったままのジョルノだった。
「――――おい」
妹紅は内心ヒヤっとしていた。レミリアとの戦闘を避けられるチャンスだが、もしここでジョルノが『フランドール』という名前を出すとどうなるか分かったもんじゃあない。
しかし、ジョルノが口にした名前は別の人物だった。
「・・・・・・ヴィネガー・ドッピオはどこにいる」
レミリアは足を止めた。しばらく考えて、首だけを振り向かせて何事かを声に出す。
今度は『真実』だった。
午前3時25分。
* * *
レミリアの命令で紅美鈴は厨房に向かっていた。本来ならこの時間は十六夜咲夜がレミリアとフランドールの夕食を作っている時間だが、二日前から彼女が失踪したせいで今は妖精メイドたちがてんやわんやする場所だ。
だが、今日はどうにもそうではないらしい。厨房の部屋の前にたどり着いた美鈴が抱いた感想は『静か』であった。
気配を察知してもここには誰もいないのである。紅魔館が雇っている妖精メイドは数十体。だが、何故か忽然と気配が消えてしまっている。
明らかに『厨房』で何かが起きたということを物語っていた。
「・・・・・・っ」
美鈴は扉に手をかけて開けようとする。だが開かない。この扉は外からは押して開けるタイプで、衛生上問題がないように気密性は完璧な扉である。内側から鍵でもかかっているのかと一瞬思ったがノブは回るのでそんなはずはない。
「・・・・・・内側から扉を押さえつけているのか? でも彼女たちにそんな力があるとは・・・・・・」
もう一度、美鈴は力を込めて扉を押した。するとほんの少し扉が開いたかと思ったら――――。
ばしゃっ!
「『ばしゃっ』??」
自分の膝に生ぬるい液体が押し寄せた。とっさに扉から手を離してしまい、危うく転びそうになったが――――。
「・・・・・・って、何で部屋から水が・・・・・・」
洪水でもあるまいし、と思って下を見ると驚愕する。
水じゃあない。
血だ。
「――――っ!!!」
ばしゃ、ばしゃっ! と美鈴は慌てて扉から離れる。自分が今かいているのは冷や汗だとはっきり分かった。そして、「いや、まさか・・・・・・」と、自分の想像を否定する。
まさか、厨房が血液で満たされているはずがないじゃあないか。
「〜〜〜〜〜ッ!!!」
自分
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