紅の十字架 そのA
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、ドッピオは少しだけ安心した。その安心感はドッピオの瞼を重くさせる。
最後に扉が開く音がしたが、もしかすると夢かもしれない。現実であるならば、扉を開けたのが彼女たちにとっての味方であることを願うばかりだ。
午前3時31分。
* * *
紅魔館の庭園にいる暫定敵を倒すためにレミリアは玄関を突き破って庭園に降り立った。そこにいたのは当然、ジョルノ・ジョバァーナと藤原妹紅である。
「れ、レミリア・スカーレット!!」
ジョルノはレミリアの姿を見るのは初めてである。コウモリの羽が背中にあるところを見ると彼女が吸血鬼の妹だと思ったがどうやら違ったようだ。妹紅がその名前を呼ぶ。(人の名をッ!)
「・・・・・・あら、人間・・・・・・。一体、どういうつもりかしら・・・・・・? 報復? 覚悟しなさいよ。あんたたちのせいでパチェが・・・・・・」
レミリアは敵意を丸出しにして二人を睨みつけるが、当然二人にとっては身に覚えのない話である。
「・・・・・・ちょっと待て。パチェってパチュリーのことか?」
妹紅はその名前に聞き覚えがあった。実際に見たことはないが、かつて彼女のために永遠亭で喘息の薬を買いに来たという従者を案内した経験がある。その時、話に出てくる名前だった。紅魔館に居候している魔女だという。
「ええ、そうよ。・・・・・・なんで名前知ってるのよ」
レミリアからすればパチュリーの名前を知っている人間はほとんどいないという認識だった。紅魔館には基本人が来ない上にパチュリーは外出をしない。
「そこはどうでもいい。確かに私たちはお前等に用があって来たわけだが、まだ攻撃はしてない」
ほとんど殴りこみに来たようなものだが、二人にはひっかかる節があった。
庭園に残されていた新しい血だまりだ。紅魔館で何かが起きているのは容易に想像できる。
「何が起きている?」
レミリアが答える望みは薄いかもしれないが、あえて妹紅は短く尋ねた。
「・・・・・・」
ジョルノは黙っていた。レミリアという人物を推し量っているのだろう。
レミリア側は混乱していた。妹紅の言うとおり、透明の敵がこいつらとは無関係であると薄々感づいていた。
それに、透明の敵が発していた声に聞き覚えがあったのだ。
彼女の直感はこいつらではない、ということを告げていた。
「ちょっとした家庭の事情よ。・・・・・・首を突っ込むな」
やはりレミリアは答えをぼかす。ここで正直に答える意味はない。ここで二人を殺してしまっても構わないが、『キラークイーン』の爆弾が使えない状態(パチュリーの爆弾化が解除されてしまう)のため、負けないまでも苦戦は目に見えていた。
「既に一
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