紅の十字架 その@
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か理解できなかったが、ジョルノは蚊の様子を見て血相を変える。
すぐに『ゴールドエクスペリエンス』の能力を解除し、手に着いた血をポケットから取り出したハンカチで拭って紅魔館に向かって歩く。妹紅には一切説明がないため「おい、ジョルノ! どうしたんだよ」と彼女はたまらず訊ねた。
ジョルノの答えは短く、冷静なものだった。
「・・・・・・既に一人死んでいる」
その言葉を聞いた妹紅は顔色を変えた。
午前3時21分。
* * *
十六夜咲夜は明らかにリタイアだ。ドッピオは全身に深いダメージを負った咲夜を見て大層気の毒に思った。幸い致命傷が一つもないのがせめてもの幸運というべきか。うまく『ホワイトアルバム』で守ったのだろう。
「・・・・・・しかし、鼻の骨まで折るとは・・・・・・」
二人の重傷者を先ほどの戦闘のせいでボロボロになったレミリアのベッドに並べてドッピオは息をついた。
何とか二人とも死なずには済みそうだ。だが、パチュリー(って呼ばれてた女性)はレミリアの『爆弾化』によって止血は出来ているが、彼女が解除すればまた出血し始めるだろう。
自分だけでは破裂した血管の縫合など不可能だ。永琳か、せめてジョルノがいなければ。
「・・・・・・全く、俺の目の前で死なれるのは後味悪いってもんだぜ・・・・・・」
包帯まみれ(カーテンで作った)の咲夜を見て再びドッピオはため息を着いた。
一体、なんだってこんな美しい女性が俺との結婚なんかのために体を張っているのか・・・・・・。
(わっかんねぇ〜〜・・・・・・。わっかんねぇ・・・・・・けどよ〜〜〜・・・・・・)
まだ全然現実味を帯びていない話に頭がクラクラするがドッピオは段々と現実を受け止め始めていた。
(・・・・・・)
横たわる咲夜を見て彼は何を考えているのか。それは深層心理にいるディアボロでさえ知り得ないことだ。
ドッピオは再三大きなため息を吐きつつ弾幕のせいで羽毛がボサボサに飛び出している高級『だった』ソファーに深く腰掛けた。なんだか急に疲れてきたな・・・・・・。
――――と、レミリアの部屋のドアが開いた。
ぎぃぃぃぃ・・・・・・ばたん。
「・・・・・・だ、誰だ?」
ドアが開かれるが、そこには誰もいない。閉め忘れただけか? にしては自動で閉じたな。と、思いドッピオがソファーから腰を上げると――――。
ひたっ、ひたっ・・・・・・
「――――ッッ!!!」
何もない空間から足音がするのだ!!
まさしく、ドッピオにとってこれは恐怖でしかない。映画とかでしか見たことがないフィクションの世界が、今まさに現実として自分の目の前に現れている事実!!
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