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ボスとジョルノの幻想訪問記
紅の十字架 その@
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「何故、気配が『8つ』しか無いの??」


 紅魔館の中には生物は8体しか存在しない――――。

 そう、『生物』は・・・・・・。

 午前3時21分。

*   *   *

 時は若干遡り、午前2時半。人里のとあるラブh・・・・・・民宿。

「どうだ、ジョルノ。調子は?」

「・・・・・・痛みはないです。眠気は若干残ってますが」

 藤原妹紅とジョルノ・ジョバァーナはきっかり6時間の睡眠をとって人里を出発しようとしていた。

 ジョルノは自分の両手を眺めて閉じたり開いたりして動作を確認する。6時間前は指先の第一関節から上が消失していたとは思えないほどの万全振りだ。さすがは蓬莱人の血。

「それはハッピーなことだ。行くぞ、私たちに時間はあまり無いんだから」

 妹紅はそう言って足早に宿を出た。

 彼女の言うとおり、永遠亭には精神を壊された鈴仙、液体化して動けない永琳、両腕の繋がった意識不明の慧音。更に恐らくは連れ去られたであろうドッピオの安否も未だ不明のままだ。

 一刻も早くスタンドによって『ありとあらゆるものを直す程度の能力』を新たに得たフランドールを屈服させて、全員を直して貰わなければならない。

 二人の意見は一致していた。

「行きましょう、妹紅」

 二人は深夜の人里を出ていった。かけがえのない笑顔を取り戻すために。



 妹紅の案内で霧の湖にやってきた二人。辺りは真っ暗だが妹紅が火を焚いてくれているおかげで二人の周りは明るかった。本来ならば宵闇の妖怪とか氷の妖精とかが弾幕ごっこを仕掛けてきそうだが、二人は特にそんな妨害を受けずにここまで来れた。もう紅魔館は目と鼻の先だ。

「・・・・・・時に妹紅。『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』と『ありとあらゆるものを直す程度の能力』を持つという吸血鬼、フランドール・スカーレットを屈服させると言ってますが、何か策はあるんですか?」

 ジョルノは歩きながら尋ねる。

「・・・・・・当然よ。私が無策で相手に挑むなんて、そんな馬鹿丸だしの行為をするはずが無いじゃあない」

 基本的に無策で輝夜との殺し合いに興じてきた妹紅はドヤ顔でそう言った。

 説得力は皆無。だが彼女は全く気にも留めずに話を続ける。

「私のスタンドは『スパイスガール』。『殴った物体を柔らかくする程度の能力』だけど、ちょっと使い方を応用すればフランドールの能力に対抗できるわ」

「どういうことでしょう?」

 妹紅は『スパイスガール』を自分の背後に出し、

「それぞれの物体には『破壊の目』というものが存在するの。その一点にほんの少しでも力を加えればその物体は一気に瓦解する。フランドールの前者の能力は正確に言え
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