主人公の資格 そのB
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・・・・ッ!?」
霊夢は驚愕の光景に目を見開く。そこに映っていたのは――。
「まさか、道ばたでこんなに大量の『米』が穫れるなんてねェ〜〜〜〜」
人里に住む人々が長く続く道にたわわに実った大量の『稲』に対して大狂乱の大騒ぎを起こしていたのだ!!
「うぉぉッ!? すげぇ! なんじゃこりゃ!?」
「取り放題かよ!? これも博麗の奇跡って奴か!?」
「ちげぇーよ、こりゃきっと外から引っ越してきたあの3人の奇跡に違いねぇべ!!」
「おいおい、いくらとっても全然無くならねぇじゃん! おうい、みんなも来てみろよ!」
人里に見渡す限りの稲稲稲。おおよそ普通じゃあり得ない現象だったが幻想郷の人々は全てを受け入れる。
凄まじいことだったが、それは霊夢にとって地獄絵図でしかない。
「ぐ、・・・・・・!? か、体が・・・・・・」
彼女は急激に体から力が抜けていく感覚に襲われた。
「あんたの弱点。それはあんたの『スタンド』自体じゃあなくて、『経済力』という基盤の脆さにあるのさ!」
妹紅は膝をつく霊夢を見下ろして言った。今度は形成が逆になった。
「・・・・・・ッ!! 供給過多による物価の暴落かッ・・・・・・!!」
「そう、ジョルノがぶっ飛ばされた軌跡上に『ゴールドエクスペリエンス』の能力で大量の稲を生み出すことによって人里に物を溢れさせた。物が溢れれば当然、その地域の物価――――つまり『お金』の『価値』が下がるッ!!」
つまり、経済力を基盤にする霊夢にとってそれは『スタンドパワー』の著しい低下を指していた。人々は喜んでいるが、経済的に見れば現在の人里は破綻状態。霊夢の能力はもはや彼女の肉体を蝕む枷でしかない。
「・・・・・・わ、私の夢の『マネーライフ』を・・・・・・よくもッ・・・・・・!」
霊夢は妹紅を睨みつけるがもはや全身に力が入らないのだろう。上体を起こすことも難しそうだった。
(『マネーライフ』って・・・・・・本当にお金のことしか頭にないのかな・・・・・・)
地べたに這い蹲り苦虫を噛み潰すような表情を見て心底蔑んでしまう。どうやら『経済力』が無くなると『スタンド』も『スタンド使い』も死にかけてしまうようだが・・・・・・。
『スタンド』のせいで霊夢がこうなったのか、それとも彼女の性根のせいなのか。
「・・・・・・」
妹紅は若干の後味の悪さを覚えつつ動けない霊夢の前から姿を消した。彼女は自分がぶっ飛ばしたジョルノを追いかけた。
(・・・・・・ジョルノ、死んでなきゃいいんだけど)
半狂乱で舞い踊る人々の間をすり抜け、走る、走る。しばらく走ったところで人里の端っこまでやってきた。そこにはぐったりと柵に寄りかか
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