主人公の資格 そのB
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っているが深度がその比ではない。
パワーが一点集中している。
「――――これが私の『レッド・ホット・チリ・ペッパー』の真の能力。言ったでしょう? 『反省』すると私は強いって・・・・・・」
霊夢の声はすぐそばまで来ていた。
* * *
私は1ヶ月前くらいに、とある物体を拾った。神社の裏に落ちていた金色の円盤だった。いつも通り、謎物体は捨てるに限ると言うことでゴミ箱にそれを捨てたのだがふと気が付くと居間、廊下、賽銭箱、しまいにはトイレと、私がどこに行ってもその円盤は私についてまわった。
異変ではないのか? もしかすると私以外にもこのような現象にあっている者がいるかもしれない。それならまず紫に話を聞こうと思った。
「・・・・・・何なのこれ?」
紫の返答はこうだった。付属神の類いかと聞いたが紫の答えは分からないの一点張りだった。
「ちなみに、外の世界の物体じゃあないわ。だって私がそんな物体の幻想入りを察知していないんだから」
「・・・・・・あんたが仕事サボってただけじゃあないの?」
失礼しちゃうわね、と大妖怪は言う。
「気になるんなら処分すればいいじゃあないの」
「何度もしたわ。でもいつの間にか手元にあるのよ」
「ふぅん」
紫は興味なさげに呟いた。未知なるものだというのに、この紫の関心無しはどういうことだろうか。いつもなら喜々として調べたりするのに。
「そうねぇ・・・・・・地縛霊か何かかしら? 付きまとうって所が」
「地縛霊? でもこれは実体があるわ」
「妖夢だって実体があるじゃない」
「あいつは半分実体があるのよ。幽々子は無いわ」
「じゃあそれも半人半霊かもよ?」
笑えない冗談だ。半人半霊とかいう面白種族は魂魄妖夢だけで事足りている。
「とにもかくにも、私じゃあ何も分からないわ。そもそも興味がないし」
紫は欠伸をして言った。
「そう、それよ。今一番奇妙なのはあんたが円盤に対してちっとも興味を抱いてないことよ」
紫が欠伸をしたタイミングで霊夢は畳のやさぐれをその中に投げ込む。
(あ、入った)
「そんなの私の自由じゃない。それより眠くなってきちゃった。おやすみ〜」
「あ、待てコラッ! ・・・・・・ってもういないし」
紫はスキマの中に落ちていった。
やさぐれは食べたのだろうか。それとも口の中にスキマを作ってどこかに飛ばしたのだろうか。いずれにせよ紫は今回の件に関与しないと言う。
「処分・・・・・・封印するか?」
誰もいない居間にごろりと横になって円盤を眺める。害は無いにしても奇妙なのは確かだ。
――――だが紫からすれば一番奇妙なのは奇怪な物
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