主人公の資格 そのA
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・・・・・・。
人質作戦。主に『吐き気を催す邪悪』と評される人物などが取る行動である。
「・・・・・・その人を離した方が身のためですよ」
だがジョルノは焦らず、冷静にそう告げる。大抵の場合、人質作戦は失敗に終わるのだ。
「はん! 私よりあんたの財布の中身を心配しなさい! 払って貰うまでこいつは解放しないわ!」
「・・・・・・」
まるで強盗犯のような物言いである。
「・・・・・・あなたが・・・・・・。博麗の巫女が一体どれほどの権力を幻想郷で持っているのかは知りませんが・・・・・・一つ言いますよ?」
「・・・・・・?」
彼の言葉には若干の呆れの色が見えていた。霊夢も人質の女性も黙って聞いている。
「あんたは『主人公』には向かない」
その台詞に霊夢は眉毛をつり上げる。
「うるさいわねぇッ!! こちとら十数年主人公やってんのよ!! あんたみたいなちんちくりんにそんなこと言われたくは・・・・・・」
「まぁ、それは私も思ってたんだけどね」
――――と、霊夢の人質となっていた女性が口を開いた。
「――あ?」
霊夢が怪訝そうな顔でその女性を見る。ただの白い髪を一つに結んで振り袖を着た霊夢と同じくらいの体格の一般女性が何を言い出すかと思えば、博麗式行政に文句だろうか。奥歯でも抜いてやろうか。
「・・・・・・僕でも一瞬誰かと思いましたよ・・・・・・いや、変わりすぎですよ」
それに答えたのはジョルノだった。まさか、知り合いか? いや、この外来人の連れはアマゾネス(って何だ? 分からん)だったはずだ。まだどこにいるかは把握し切れていないが、いずれそいつからも払ってない税金を・・・・・・。
「――――まるで侵略者だよ、博麗霊夢」
霊夢はその女性の瞳を見る。赤い、瞳をしている。見覚えがある。そしてこの白い髪。やはりどこかで見たことがあるような・・・・・・。
「私から言わせて貰えば主人公としての器はジョルノの方があると思うよ。私はね――――」
ここで霊夢は理解する。やっと理解して、これは悪手だとも理解する。運が悪かったのか、それともこいつらの言う主人公としての器のせいなのか。
だが、気付いたときはもう遅かった。
「あ、あんたは・・・・・・!! 藤原妹紅!?」
「Yes, I am!!」
妹紅がにやり、と笑ったときには――――。
「テメェミタイナヤツニ、『シュジンコウノシカク』ナンテネェエエンダヨォォォーーーーーーーッッ!!!」
すでに霊夢の背後に現れていた『スパイスガール』が完全に油断していた彼女の全身をその強力無比なラッシュで砕いていた。
「あびぎゃあああああああああああああッ
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