主人公の資格 そのA
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る。
(・・・・・・樹木といい、ネズミといい・・・・・・あの能力も訳が分からないわね・・・・・・)
だが、大体は分かった。あの外来人の能力は『生物を生み出す程度の能力』だ。かなり厄介な性質だが、もうほとんど動けないだろう。自分のスタンドの攻撃を二発食らっているのだから。
「屋根の上は路地裏よりさらに弱いけど・・・・・・。あれなら私の弾幕ですぐに片付くわね」
霊夢はそう呟いて高速で屋根の上を移動するジョルノを飛んで追跡した。
ネズミに背中を文字通り預けて屋根の上を逃走するジョルノは霊夢のスタンドについて考えていた。
今分かっているのは、硬貨や紙幣から出現する近距離パワー型のスタンドであること。表通り、路地裏、屋根の上と場所によってスタンドの力が変化するということ。ここから推測されるのは一つだった。
博麗霊夢の『スタンド』は『経済力』に依存する。
お金に準拠する物体からしか出現せず、なおかつ表通りでは相手が黒コゲになるほどの絶大な力を持ちつつ、裏通りではただの強烈なパンチに、そして屋根の上では更に弱体化。
ではこの3つの『場所』による違いは何か?
それは『カネが出回る量の強弱』だろう。つまり、『表通り』は経済が円滑になるためそれだけ『スタンドパワー』も強まり『路地裏』といった寂れた場所では経済は停滞しているため弱くなる。屋根の上など以ての他だ。
つまり、彼女の『スタンド』の正体とは『金の暴力』だということだ。
ジョルノはそう判断し、だったら戦う場所は決まっている、と次の屋根に移るためにジョルノを運んでいる大量のネズミを全て鳩に変えて飛び立たせ隣の屋根に移る。
その姿を見て霊夢は「自由自在なのね」と舌打ちをして追いかける。弾幕を浴びせているがどうも動物に指令を下すジョルノがこちらをずっと見ているため全てかわされてしまっていた。
「ちっ、面倒くさいわね・・・・・・!」
霊夢は懐からスペルカードを取り出す。
「夢符『二重結界』」
すると霊夢とジョルノを取り囲むように巨大な結界が展開された。霊夢は永夜抄で使っていた『近付いているのに近付けない結界』とは逆――――遠ざかる相手をそれ以上遠ざけないために結界を張ったのだ。
当然、そのタネを知らないジョルノはいつの間にか霊夢に近づいていることに気が付いた。
「――――はッ!? ま、待て『GE』!! 鳩を止めるんだ!!」
すぐに『GE』は能力を解除した。もちろんジョルノは鳩から投げ出され、民家の屋根に倒れ込む。だがそこは霊夢の真下だった。
「残念ね――――観念なさい」
霊夢は再度、御札を大量に弾幕として放った。ジョルノの逃げ場が無いようにかなりの高密度で。
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