主人公の資格 その@
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る)が、大幅な進化が見られた。
橙は新たな武器を携え、『花魁 巫女の里』までやってきた。まだ店自体は開いていないようだった。昼間から神社ではなくこちらにいるのは巫女としてまずいのではないだろうか・・・・・・。仕方が無く橙は店の裏に回ると、小さなドアを見つけた。付近に浮浪者の影は無く、誰も見ていないようだ。念のため、『人を化かす程度の能力』を用いて極端に影を薄くし(気配絶ちのようなもの)、ドアに手をかける。当然、鍵はかかっているが、橙は人差し指をドアに向けて『牙Act.2』を打ち込む。ドアには小さな穴が開き、それは橙の意志によって自在に移動する。穴はずずずっ、とゆっくりと移動しドアのロックがかかっている箇所にたどり着いた。そして橙が穴の操作を止めると――
がぎょッ
と、ドアのロック部分のみが破壊される音がした。こうすれば傍目には壊れているのが分からない。橙は更に念のため辺りをもう一度確認して誰もいないのを見取ると、ゆっくりとドアを開いた。
中にはいると昼間だというのに室内はかなり薄暗かった。そう言えばこの建物には窓がない。かなり不衛生だが、客や遊女たちは気にしないのだろうか。
どうやらここは控え室――というか、衣装部屋のようだった。中にはかなり際どい衣装もあるが、橙にはそれが『衣服』だとは思えなかった。
(・・・・・・下着? そんなわけないよなぁ・・・・・・変な場所に穴が開いてるし・・・・・・何に使うんだろう? もしかして、破れてるから廃棄するのかな?)
純粋無垢な橙はかわいい。
と、橙は裏口とは別の扉を発見した。この扉には鍵がかかっておらず、普通に外に出ることができた。
衣装部屋を出ると、受付のような場所だった。もちろん、誰もいないため橙は特に警戒することもなく受付の中に入る。受付の中にも扉があるのだ。橙はおそらくここが従業員用のスペースで、霊夢はここにいるだろうと予測していた。
扉に近づいて耳を傾ける。だが、誰かがいる気配はない。ドアノブに手をかけると音もなく扉は開いた。
「・・・・・・いない」
橙の予想とは裏腹に部屋には誰もいないようだった。では、一体どこにいるのだろうか? 橙は首を傾げて再び受付に戻った。
(どこかの部屋か? 個室は全部で18部屋あるけど・・・・・・しらみつぶしに探すしか・・・・・・)
彼女は気配を消して建物の中を見回ることにした。もし霊夢と鉢合わせでもしたら最悪だが、あっちの衝撃はもっと大きいはずだろう。常にこちらが臨戦態勢でいれば『牙Act.2』ならば簡単に奇襲はできる。
建物内部は受付から二方向に廊下が伸びており、回廊になっている。建物自体は2階建てで、1階に10部屋と衣装部屋、受付。2階に8部屋あ
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