十六夜咲夜一揆 そのB
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識は既にここに無いような気がしている。
部屋に入った。レミリアと例の人間。それとやっぱり反抗して折檻を受けたのであろう咲夜の姿。私は出来るだけ短く、要点をまとめたつもりだった。永遠の時間に感じた。ゆっくりと、視界が揺らいでいく。
「・・・・・・??」
こんなときに貧血か? いや、そんなことに構っている暇はない。紅魔館がヤバいのだ。早く、早くこの事をレミィに伝えなくては・・・・・・。
「・・・・・・」
だが、声が出ない。息が吸えないのだ。何だ、一体、何が起こってる? 私から抜けるように無くなっていくこの感覚は何だ?
何かがここにいる。
「SHANHAAAAII・・・・・・」
「パチェェェーーーーーーーーーーッッ!!!」
レミリアの視力は人間のものとは比べ物にならないほど、優れている。だから、ドッピオがパチュリーの首もとから血液が大量に吹き出したのを見てただただ恐怖する光景の中から確かに原因を見たのだ。
パチュリーの首、血が吹き出している辺り。そこに一瞬だけ凄まじい力が加えられ、彼女の首の血管が破裂したのを見た。
さらに、首以外にもブシュッ!! ドビュッ!! と腕、わき腹、足と全身から次々に血管が破裂していく。
何かがいる。そのパチュリーの言葉をレミリアは正確に読みとっていた。
「紅符『スカーレットシュゥゥーーーート』ッッ!!」
パチュリーの周囲に目標を定め、レミリアは『キラークイーン』に自分を投げ飛ばさせながら、大玉の紅い弾幕を展開した。
レミリアの放った紅弾はパチュリーの周囲に至るとバァン! と破裂音を上げた。それは対象に弾幕が当たったことを意味している。
だが、そこには何もいない。
「・・・・・・ッ!! 『透明』の何かが・・・・・・ッ!?」
レミリアはすぐにそう判断した。すぐさまパチュリーの側に降り立ち彼女の様子を確認する。
パチュリーは既に人間であれば致死量の血液を流していた。いくら魔法使いといえど、これ以上血を流すのはマズイ。
血を止めるために彼女は『スタンド』を出した。
「『キラークイーン』ッ!! パチュリー・ノーレッジを『爆弾』にしなさいッ!!」
『キラークイーン』はレミリアの命令通りにパチュリーに振れて『爆弾化』する。ちなみに、着火型の爆弾にした物体はどんな力を加えられても『形状を維持する』という性質が加わる(接触型にはその性質はない)。
その誓約によってパチュリーの体――――つまり血液の流れは普段通りの形状を維持するのだ。したがって、血管は破裂したままになってはいるが、血液はきちんと巡るようになる。
ギリギリの応急処置だ。何せレミリアはもうスタンドの能力が使えなくなる。
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