十六夜咲夜一揆 そのB
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の本能』だと思い込むのである。ディアボロによって形成された思い込みの激しい人格であるドッピオはしっかりとディアボロの用意した狡猾な罠に引っかかる。
「・・・・・・ッ!! 『墓碑名』かッ!! 今、レミリアが飛んでいったのは・・・・・・!! 俺が無意識のうちに『墓碑名』で殴ったからかッ・・・・・・!?!」
ディアボロの思惑通り、ドッピオは『勘違い』を始める。
(再び自分は無意識のうちに咲夜を助けていた。これは一体どういうことだ? 説明が付かないが・・・・・・まぎれもない事実ッ!)
ドッピオは倒れている咲夜の方を見る。見るからに痛々しい凄惨な姿だった。おそらくもう立つことも出来ないだろう。
ガァン! と今度は壁に叩きつけられたレミリア。彼女の方はいまいち状況が把握できていなかった。咲夜が時を止めたのは確かだが、自分は時を止める前とは若干違う場所で殴られていたし、何よりドッピオが何故止まっている時の中を動いていたのか。
「――――どういうことかしら?」
レミリアはすぐに立ち上がる。体が吹き飛ぶほど強烈な拳を食らったわけだが、吸血鬼からすれば掠り傷だ。
「・・・・・・止まっている時の中を動いた? 私の位置が変わっていたのは・・・・・・奴が私に干渉したから・・・・・・?」
何故、自分の位置をずらしたのかは分からないが、レミリアはドッピオが止まっている時の中を動ける、と判断する。
レミリアはふふっ、と笑いドッピオと咲夜の方を見た。
「・・・・・・あなたたち、まるで『運命』ね。まさか、咲夜だけの時間を動くことが出来るなんて・・・・・・。だったらあなたたちが結ばれたいと思うのはその『運命』によるものなのかしら? そんな『運命』、私は絶対にねじ曲げてやるわ」
ドッピオとしては「それは違う」と否定したかったが、これまでの自分の無意識の行動――――厳密に言えば全てディアボロの仕業なのだが――――は咲夜との運命によるものなのかもしれない、と思った。
運命なんて曖昧なもの信じてはいないが、目の前にいる敵は『運命を操る程度の能力』を持っているのだ。
「・・・・・・よしんば運命だとして、そしてそれが認められない物としても、今まで自分に尽くしてきた従者に対する仕打ちが『コレ』とはあんまりじゃあないのか?」
ドッピオはぴくりとも動かない咲夜に同情していた。
「あんまりじゃあないのか? ですって? ただの部外者が何を言い出すかと思えば・・・・・・私と咲夜の関係も知らないで」
レミリアの表情が鬼のような形相に変わった。そしてドッピオに向かって殺意を向けた。今度こそ、殺す。咲夜も殺す。私に刃向かう人間風情が、みんな死ねば――――。
と、
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