十六夜咲夜一揆 そのB
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すぐに部屋に着いた。
バンっ!! とドアを開けると、部屋の端で少女と女性の姿を見取った。
時を止めているハズの咲夜が横たえていた。
「・・・・・・どうした。そいつの首を取るんじゃあないのか?」
ディアボロは動けない咲夜に向かって皮肉を込めて言った。
「・・・・・・ッ!!」
咲夜は血だまりから顔を起こしてディアボロを見る。助けを懇願しようというのか、と思ったが違う。咲夜の視線はディアボロを睨み殺すほどだった。ギッ、と歯を軋ませてガクガクと振るえる腕で立ち上がろうとするが、べしゃっと崩れ落ちる。
「まだそんな目が出来るじゃあないか・・・・・・・・・・・・。どうした、早く起きあがってそいつの首を取れ」
ディアボロは動けるにも関わらず咲夜を助けることも、レミリアを攻撃することもなく立っているだけだった。そして無情な命令を続ける。
「・・・・・・ぎっ、ぐがぁぁぁぁぁッ!!!」
再び咲夜は立ち上がる。――――今度はふらついてはいるが、しっかりと二本足で立っていた。だが、このままではすぐに倒れてしまうだろう。
(そんな立つのもやっとな状況でまだ闘う意志がある、というのか・・・・・・。弱い、が強いな・・・・・・)
ディアボロは少しだけ思い直す。だが、状況はほとんど変わってない。咲夜のダメージから察するに時を止めていられる時間はあと僅かだろう。だが咲夜は止まっている時の中では他人に干渉できない。そもそもあの体で吸血鬼に致命傷を与えることは不可能だろう。
と、ディアボロが予想したとおり咲夜はすぐに体のバランスを崩して倒れ始めた。しかし、倒れる方向は予期していなかった。
咲夜は止まっているレミリアに向かって倒れ始めたのだ。
「・・・・・・『ホワイト・・・・・・アルバ・・・・・・ム』」
そして彼女は僅かに声を発してスタンドを出した。『ホワイトアルバム』は咲夜を中心に氷のスーツを形作る。だが、時を止めているためスーツは作られた場所から動かない。
つまり、咲夜はレミリアに倒れかかる形で固定された。
「・・・・・・5秒・・・・・・」
最後に咲夜はそう呟いた。ディアボロは瞬時に『あと5秒で時が動き出す』と判断する。
「・・・・・・この俺に判断を委ねようと言うのか? 自分は殺される可能性は大になるだけだぞ・・・・・・」
「・・・・・・」
咲夜が返事をすることはなかった。つまり、完全にディアボロに全てを任せたのだ。
殺すのも自由。無視するのも自由。逃げるのも自由。助けるのも自由。
そうするしか無いとはいえ、十六夜咲夜は確かにディアボロに全てを委ねていた。
(分かった・・・・・・いいだろう。貴様の狙いが分かった上で『あ
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