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ボスとジョルノの幻想訪問記
十六夜咲夜一揆 そのB
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に叩きつけられる。

「『キラークイィィーーーーーン』ッッ!!! 飼い主に噛みついたあの哀れな子犬に自分の愚かさを示しなさいッッ!!」

 攻撃をまともに食らって動けない咲夜にすかさずレミリアは『スタンド』で追撃を加える。咲夜は何とかガードしようとするも『ホワイトアルバム』が出せない。精神が大きく揺らいでおり、『スタンド』を出せるような状況ではなかった。

 ごきんッ!!

「・・・・・・かッ!? はっ、あっ!!」

 焦点の合わない瞳でレミリアを睨みつけていた咲夜の視界が再び大きく歪んだ。『キラークイーン』の拳は彼女の顎を砕いたのだ。

「ちょっと待って、うっ・・・・・・うー、うっ・・・・・・うっうー♪ ・・・・・・そう、そうよ。殺さない程度に。うっうー♪ 咲夜は生かしておかなくちゃあ意味がないわ」

 レミリアはにこやかに壁を背に『キラークイーン』による暴力を一方的に受け続ける咲夜を見て言った。喉を押さえながら発声練習をしている。

「これから、というか今現在行われているのは『教育』よ。従者で汚らしい飼い犬は飼い主のご機嫌を取るのが信条。確か一度、陰でそう言ってたわね」

 どむゥッ!! 咲夜の鳩尾に拳がめり込んだ。「うごぉえええッ!!」と吐捨物と血液の混じったような液体を口から吐き出す。そんな苦痛に歪む咲夜の表情を見てレミリアは続ける。

「Exactry(そのとおりでございますわ)!! あなたの言ってることは正しいわ。確かにあなたは今、私のご機嫌を取っているもの。私の暴力の犠牲者となることで、私に愉悦をもたらし、同時にストレスの掃け口として立派に役立ってるわ」

 良かったわね、従者としての『信条』が果たせて?

 その言葉を耳元で告げて、レミリアが咲夜の鼻を掴んだ。そして思いっきり『捻る』。

 べきんッ!!

「あッ、あ、あっ、ああああああッ!!!!!」

「うっうー・・・・・・♪ ねぇ、咲夜。どこまで話したかしら? 確か縁談の話だったわね。あなたが私の元から離れて結婚をするとかどうとか・・・・・・」

 鼻を折られる痛みに声を上げるしかない咲夜。レミリアの言葉は半分ほどしか頭に入らず、あとは別の感情が彼女の中に渦巻いていた。

「駄目に決まってるじゃあないの。常識的に考えて? 理性的に判断して? 咲夜は何? 咲夜は私の所有物。つまり『人』じゃあないのよ? 結婚することが出来るのは人間。物は結婚することが出来ない。だから咲夜は結婚することが出来ない。こんな簡単な三段論法が分からないとテストで0点になるわよ??」

 十六夜咲夜はレミリアの所有物。その契約は10年以上前に彼女の従者となるときに決まったことだ。

 だが、10年以上前だ。何より咲夜は『人間』だ。

 それ
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