十六夜咲夜一揆 そのA
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衝撃で変な方向に首を突然曲げられたせいで痛みが若干残ったがそれだけだった。
(・・・・・・突然耳元で爆発・・・・・・? どういうことかしら・・・・・・)
まだレミリアの『キラークイーン』について咲夜は完全に把握できていなかった。
(第一の爆弾、と言っていたけど空間に爆発を自由に発生させる能力? いいえ、それだったもっと前から起こしていたはず・・・・・・)
自分のナイフが爆発したとは気付いていなかった。『ホワイトアルバム』発動状態の視野の狭さがアダになっていたのだ。
いずれにせよ、『何らかの条件下において爆発を起こせる』という能力であることは分かった。だが、それも『ホワイトアルバム』の装甲を突き破れないのであれば問題は無い。
咲夜は立ち上がりレミリアの方を見た。
再び視線が交差する。距離は離れており先ほどと同じ状況――――。
ではない。この状況は明らかにレミリアの方が有利だった。
直後にレミリアは『キラークイーン』を出しながら咲夜に向かって一直線に飛翔する。
「・・・・・・またそれか、お嬢様・・・・・・ッ!!」
今度の咲夜はそれをかわさないつもりだった。冷気の放出を最大限にしてレミリアの特攻を真正面から受け止めるつもりだった。そこにはレミリアの能力を正確に把握しようとする意識が大きかった。
「ぬううううううううあああああああああああッッ!!!!」
「はあああああああああああああああああああッッ!!!!」
二人の叫びが交差する。レミリアは『ホワイトアルバム』の冷気を全身に浴び、氷漬けになりながらも咲夜への特攻を止めない。いや、止まらないのだ。
ついにレミリアは咲夜の元まで到達する。だが、既に勢いは殆ど死んでおり咲夜がレミリアを捕らえるのは用意だった。
「全身氷漬けになりたいんですか? ・・・・・・まぁ、お望みとあれば・・・・・・」
咲夜は体表面の半分以上が氷に覆われるレミリアを優しく包容する。すると一瞬でレミリアの体は氷漬けに――――
「・・・・・・舐めるな・・・・・・」
なっていない。レミリアの全身に及んでいた氷は瞬時に消えてなくなった。いや、レミリアだけではない。咲夜が身に纏っていた『ホワイトアルバム』のスーツまで、ボロボロに崩れ落ちたのだッ!!
咲夜の目が開かれた。これだ、レミリアが一回目の起爆の時に咲夜の装甲を崩したのだ。そして咲夜ははっきりと理解する。
『キラークイーン』が自分に触れていた。おそらくそれが『発動条件』ッ!! さっきの爆発も思えば持っていたナイフが爆発したことに気がついた。そのナイフも『キラークイーン』で殴った内の一本だった。
(私が最後に投げるナイフが爆発したんだわ・・・・・
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