十六夜咲夜一揆 そのA
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「『キラークイィィーン』ッッ!!」
彼女はスピードを緩めることはせず、『スタンド』を出してナイフを全て打撃で相殺する。一瞬の猶予も許さない、時が動き始めてからナイフが刺さるまでのおよそ10分の1秒間の行為だった。
(・・・・・・予想外。あの『スタンド』、私の鎧を崩した能力の他にもスピードも要注意ね・・・・・・)
レミリアはナイフ突破時の勢いのまま自室の壁に激突したかに思えた。だが、比喩でも何でもなく、まさに超人的身体能力によって体をたて回転にひねり着地ならぬ着壁。自室の壁に柔らかい足取りで膝を屈折させ、一気に伸ばすことで爆発的推進力を得る。まるで競泳選手が水中でターンを切る行為を空中でやってのけたのだ。
「っ!!」
高速の切り替えし。弾丸がそのまま向かってきた方向に跳ね返るが如く、レミリアは咲夜に肉薄する。対して咲夜は体をうまく横に曲げて回避する。レミリアは掠めるようにして咲夜の脇を通り抜けた。
その瞬間、両者の視線が交差する。一人は驚きと冷静、もう一人は怒りと愉悦。両者が両者、相反する感情をその瞳の色に滲ませていた。
すぐに咲夜は体勢を立て直す。再び弾丸のような速度で反対側の壁に激突するレミリア。だがもちろんターンは切ってある。
今度は反射ではなく、別方向に切り替えした。壁、天井、床、壁、床、天井と部屋を縦横無尽に高速移動を続ける。咲夜の視覚混乱のためだ。咲夜は焦ることなくそれを目で追う。一見すると紅い線が走っているようにしか見えないが、咲夜の動体視力はレミリアの動きを点で捉えられた。
「ふふふふははははははッ!!!」
レミリアは笑い声を上げながら弾幕まで展開し始める。縦横無尽に駆け回っているのに、どの角度からでも正確に咲夜の頭・心臓・喉の3点に集中して高速の光弾を浴びせる。
しばらくは回避していた咲夜だがまどろっこしいと考え『防御』に手段を移した。
「『ホワイトアルバム』」
瞬時に再び咲夜を氷のスーツが身を包む。更に部屋を冷気が覆う。
「・・・・・・ッ!!」
レミリアの速度が寒さにより少し落ちてしまった。なおかつ、自分の急所弾幕がことごとく絶対防御の『ホワイトアルバム』により阻まれてしまっていることも彼女の心に動揺を生み出す。
その精神的ゆらぎを咲夜が見逃すはずもない。
先ほどよりもガクンッ、と速度を落としたレミリアに向かって落ちているナイフを拾い上げて投擲する。標的の移動先を考慮したその投げナイフは正確に足首を貫くことに成功する。
「・・・・・・ぐッ!? あ、足がッ!!」
足の違和感に気が付き着壁したレミリアはターンを切ろうとして失敗した。正確に足首の神経が切断されている。
どさっ、と地面に倒れ込
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