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ボスとジョルノの幻想訪問記
十六夜咲夜一揆 その@
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た――――。でも、『結婚』・・・・・・? 結婚なんて・・・・・・認めないわよ・・・・・・。結婚なんて、絶対に絶対に、私は認めないわ・・・・・・」

 ドッピオは「おい、これやばいんじゃあないか?」という風に咲夜とドッピオを交互に見る。

 ドッピオの予感は予知するまでもなく、正しい。レミリアの『独占欲』は強く、咲夜を手放したくないという思いは誰よりも強かった。妹のフランドールよりも、理解者である紅美鈴よりも。

 レミリアは換言すると『十六夜咲夜』に溺れていた。

「私はッ!! 結婚なんて絶対にゼッタイに認めないィィーーーーーーーーーーーッッ!!!」

 レミリアは翼を大きく羽ばたかせ、即座にスタンドを出す。

「『キラークィィィーーーーーーンッッ』!!! その咲夜をたぶらかす男を消し炭にしてしまえッ!!」

 俺かよッ!! というドッピオの表情を見て咲夜はその間に入る。

「大丈夫よドッピオ。あなたは私が守るわ・・・・・・」

「・・・・・・咲夜(俺関係ないよな・・・・・・)」

 咲夜のその言葉を聞いたドッピオは心底帰りたいと思った。

 一方、レミリアはその言葉に更に怒りを押し上げるッ!

「私の目の前でイチャコラしてんじゃあ無ぇぞクソ餓鬼ィィーーーーーーーッッ!!!」

 瞳を深い紅の宝石のように光らせながらドッピオを殺さんとするレミリアに向かって咲夜は『ホワイトアルバム』を発動させ――。

「駄目、だと言うのでしょうか・・・・・・お嬢様。私はこれまでお嬢様に誠心誠意尽くしてきたつもりです。そろそろ私も報われてもいいんじゃあないでしょうか?」

 氷の衣装を身に纏い窘めるように話しかける。しかし、猪突猛進を体現するかのように猛スピードで距離を詰めるレミリアは「否ッ!!」と短く答え、キラークイーンを前に出す。

 その瞬間、レミリアの顔面にカウンターの氷の拳が突き立てられた。

「さ、くやッ・・・・・・!?」

 攻撃するはずがない、と思っていたレミリアの予想はあっさりと打ち砕かれる。

 咲夜はここで初めて、本気で主を殴ったッ!


「――――お嬢様、いえ、レミリア・スカーレット。でしたら私は私の意を通すだけです。そろそろ『子離れ』の時期ですよ――――」


 殴られた箇所が――――凍る。レミリアが右頬を触ると酷く冷たかった。

 だが、それ以上に愛する自分の娘のような十六夜咲夜に反抗され、手を上げられたことに対し彼女の心は酷く傷つき、冷めきる。

「・・・・・・咲夜・・・・・・。そう、あなた・・・・・・死んでも文句は言えないわよ??」

 吸血鬼は娘を捕食対象として認識した。

「27歳独身、結婚願望有り十六夜咲夜。『親離れ』のため、いざ」


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