十六夜咲夜一揆 その@
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オも中に入る。
「・・・・・・咲夜?」
部屋の奥から少女の声がした。
もちろん、ドッピオは聞いたことがある。
「・・・・・・まだ私は――――独房から出て来て良いなんて一度も言った覚えは無いのだけれど?」
声の主はこちらに背中を向けて座っていた。
もちろん、ドッピオはその後ろ姿を見たことがある。
「お嬢様、実はお話があります――」
「おい、待ってくれ」
と、咲夜の言葉をドッピオは切った。
「俺は突然の出来事に翻弄されてここまで来ちゃったが、今一つ、はっきりと断言できる。――――咲夜がここで何と言おうと、俺ははっきりと断言しなくちゃあならないことがあるんだ」
そして、ドッピオは声の主を指さした。
「・・・・・・また会ったな、レミリア・スカーレット」
その座っている人物の名前を呼ぶ。
そう、彼女はレミリア・スカーレット。
ドッピオのいた永遠亭を襲撃した張本人。
「・・・・・・」
ふぅー、とため息をついたレミリアはパタンと本を閉じて立ち上がる。
「人の名をッ! 随分と気安く呼んでくれるじゃあないか・・・・・・」
レミリアが紅い眼孔を二人にギロリ、と向ける。
「てめぇ・・・・・・覚えてるぜ・・・・・・! よくも俺たちを・・・・・・ッ!」
「・・・・・・あぁ、誰かと思えば未来予知君じゃあないか。どうして死んでいないんだ? ――――まぁ、もう一度殺せばいい話か」
さして疑問を持つまでもなく、今更不死など幻想郷では珍しくはない、と言いたげにレミリアは両の手を広げる。
「あのー、ちょっといいですか?」
そんなぴりぴりした空気に割って入ったのは十六夜咲夜だ。
「・・・・・・咲夜、あなたがどうしてこんな男を連れてきたのか聞くつもりはない。いいから私が許可をするまで独房に入って・・・・・・」
「いいえ、そういうわけにはいきませんわ。ねぇ、お嬢様――。私、十六夜咲夜は――――」
レミリアの回答に喰い気味で話し始める咲夜。ドッピオもレミリアも咲夜の言葉を聞いて――――1人は呆れた顔をして1人は眉をつり上げた。
咲夜の話した内容はこうだ。
「この男、ヴィネガー・ドッピオと結婚を前提にお付き合いいたします」
「・・・・・・いや、だから・・・・・・」
当然、呆れ顔で「またか」とため息をついたのはドッピオ。ならば、眉をつり上げ怒りを露わにしたのは――――
「・・・・・・何ですって・・・・・・?」
レミリア・スカーレット。
「――――咲夜、あなたの先日からの暴言・暴行の数々。全てが目に余り罰することも当然過ぎるものだったわ。そして当然、あなたも私もそれを受け入れ
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