十六夜咲夜一揆 その@
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題の一つではあったが、咲夜が味方となればこの問題も同時に解決されるわけだ。
(案外、このままの方が使えるかもしれないな。適当に駒として使うつもりだったが・・・・・・)
ディアボロがそんなことを考えている間、咲夜はドッピオの手を引いて階段を上っていた。
「ほらほら、早く歩いて」
「・・・・・・うぅ・・・・・・」
ドッピオは何故か泣きそうだった。可哀想に。
「まず、私の部屋に行くわ。服を着なきゃ」
「・・・・・・そりゃ、全裸で家の中を歩くのは・・・・・・というか、広いな」
階段を上りきり廊下にでる。ドッピオは屋敷の広さに驚いていた。
「こっちよ」
呆然とする彼の手を引いて咲夜は一直線に自室を目指した。しばらく歩くと、ようやく部屋にたどり着いた。
「しかし、これだけ広い屋敷なのに・・・・・・咲夜以外には使用人とか誰もいないのか?」
「いるけど・・・・・・きっと今は台所ね。全員で食事の準備をしてるわ」
咲夜はドッピオを部屋に入れると適当に座ってて、と命令する。ドッピオは命令通り、座ろうとするが、部屋の中は簡素で座る場所が見あたらない。仕方がなく、彼は普通のベッドの上に座ることにした。その間咲夜はいつものメイド服に着替えるようだ。
その前にシャワー室に入った。
「・・・・・・実は死んでなかったんだよなぁ・・・・・・」
ドッピオは天井を見上げた。ここは死後の世界ではない、と言われ一人で『爆殺されたのではなく、ぶっ飛ばされ、気が付いたら地下にいた』と解釈していた。
頭の中が混乱している。整理しようとしても断片的な記憶とおかしな状況から、更にこんがらがっていく。
と、咲夜がいつのまにか着替え終わって出てきた。
「待たせたわね」
「・・・・・・やっぱりそのメイド服なのか」
「これしか持ってないのよ」
十六夜咲夜はメイド長だと言うが、私服を持つことさえも許されないのだろうか?
ブラック企業だと言われても仕方がない。
「さて、主の元に行くわよ」
「ちょっと待て、その主って一体誰なんだ?」
「ふふ、まだ秘密よ」
咲夜は微笑むだけで答えてくれない。
だが、どこかドッピオの心は落ち着かないでいた。
* * *
二人はしばらく歩いてようやく目的の部屋にたどり着いた。ここまで来るのに使用人に一度も会わなかったのは、やはり食事の準備に追われているからだろう。と、咲夜はコンコン。とドアをノックした。
「失礼します」
返事が返ってくる前にドアを開けるとは・・・・・・と思ったがお構いなしに咲夜は中に入った。中にはいるのを渋っていると、咲夜が小声で「入って」と言うのでドッピ
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