十六夜咲夜一揆 その@
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てこい、とのことだった。
「・・・・・・そ、それは・・・・・・」
咲夜の視線が一瞬下に落ちた。――――だが、すぐに視線をあげて
「・・・・・・分かったわよ。了解したわ・・・・・・だから、この鎖も壊してくれないかしら」
「安心しろ。もう壊しておいた」
既にディアボロは咲夜が繋がれていた鎖の首輪と手枷を『キングクリムゾン』で粉砕していた。
「・・・・・・ありがとう。あと、一つ、いいかしら?」
「・・・・・・なんだ? 早く行け・・・・・・おい、何してる」
と、咲夜が突然ディアボロの足を掴んで――――。
「あと、1秒で時が動くわ」
「――――はっ!?」
直後にディアボロの意識はどこか奥に押し込められるように――――。
3分。
「――――そして時は動き出す」
咲夜がそう言うと、ディアボロの意識は完全にドッピオと交代される。それと同時に体がドッピオに戻っていくが、その間に咲夜は掴んでいた足を引いてドッピオを倒した。
どさっ、と倒れたドッピオは「――な、何だ? これは――」と、何故自分が転んでしまっているのか分からない、という風に辺りを見回すと――――。
「いやん」
――――自分の下に誰かいた。
「なっ、えっ!? ハァァーーーーッ!?!」
ドッピオは驚愕の声を上げる。当然だ。気がついたら女性を押し倒していたなんて驚くに決まっている。誰だってそーする、俺だってそーする。
咲夜がうまくドッピオの足を掴んだことによって、ドッピオは咲夜を押し倒す形で倒れたのだ。
「あらあらあらあら、積極的ね。私の裸に欲情して我も忘れて、文字通り無我夢中で押し倒すなんて」
「いや、ちょ、待てよ! いや、俺はだなっ! その、というか牢獄の中だろ! どうやって・・・・・・」
ドッピオは牢屋の檻を見る。するとそこには誰かがまるでこじ開けたようにひしゃげた鉄柵がある。
「・・・・・・まさか」
「そのまさかよ。あなた、もんのすんごい力で檻を突き破ってきたのよ?」
「・・・・・・」
言葉を失う。いや、そんなはずはない。と言い聞かせるが、どうも確証がない。と、ここで咲夜がとどめに入る。
なんとッ! ぎゅっ、とドッピオの体に抱きついてきたのだ。
「ふふっ、でも気に入ったわ。セキニン、取ってくれるんでしょう?」
「・・・・・・いや、あの」
「言葉で断っても体は正直よ。現にあなたの思考を越えてあんなことやこんなことまで・・・・・・」
「・・・・・・っ!!」
ドッピオは急いで咲夜から離れる。顔が赤くなっていくのが自分でも分かった。
「あぁん、乱暴ね・・・・・・」
「ちょ、ちょっと待って
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