アリス・マーガトロイドの秘密 そのC
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・・・・・・、Bー31・・・・・・」
「机? Bー31・・・・・・って」
てゐは永琳の部屋がある方を見た。アルファベットと数字が指すのは永琳の作った名前のない試験薬のことを指している。
「も、持ってきます!」
てゐは瓶を抱えたまま、永琳の自室に入った。そして永琳の机の引き出しを開き、大量に詰め込まれた蓋付き試験管の中からBー31という名称の札が付けられた物を取り出す。
「で、これをどうすれば・・・・・・」
注射薬だろうと思いてゐは薬を真新しい注射の中に移しかえる。すると瓶の水面が震えて
「・・・・・・ロウカ・・・・・・モコウ・・・・・・」
「ロウカ、モコウ・・・・・・? 『廊下』と『妹紅』ウサ?」
取りあえずてゐは瓶と注射器を抱えて玄関の廊下に来ると――。
「慧音ウサ・・・・・・?」
まず目に飛び込んだのは土間でぐったりとしている上白沢慧音の姿だった。てゐは瓶と注射器を置いて慧音をまず土間から引き上げようとする。
「って、何この腕ッ!? な、何で、こんな、一体・・・・・・ッ!」
引っ張りあげようと慧音の腕を掴んだが・・・・・・右腕と左腕が繋がった彼女の腕を見て思わず慧音の体を突き放してしまう。
「あぁッ! ごめん慧音! 早く助けないと・・・・・・でもこれって・・・・・・」
正直、誰がこんな状態の腕が治せるというのか。てゐはそう思いながら土間から永琳を玄関に引き上げて辺りを見回す。――――だがそこに妹紅の姿は無い。
「・・・・・・とりあえず、慧音を病室に運ぶウサ・・・・・・」
てゐは慧音をその小さな体におぶらせて、彼女を病室まで運んだ。
その後、すぐにてゐは玄関に戻ってきた。置いておいた瓶を拾い直すと再び瓶の液体から声が聞こえる。
「・・・・・・ユカ・・・・・・、ユカ・・・・・・」
声に従って床を見ると一カ所だけ不自然な木目があった。不気味なことにそれは人の顔のように見え、ついでにリボンのような形の模様もあった。
「うわっ、この床だけ熱い! ・・・・・・ま、まさか・・・・・・ね」
顔面のような模様と熱から推測して『ありえない』考えが思い浮かび、一応瓶の方に耳を傾けると。
「・・・・・・モコウ、・・・・・・ソレ」
「・・・・・・マジすかウサ」
てゐは床を見て言った。確かに、妹紅の顔に似て無くもない。じゃあこれをどうすればいいのか、と思っていると。
「・・・・・・クスリ・・・・・・」
「え? く、薬って・・・・・・『床』に打ち込むんですか?」
てゐは思わず聞き返した。全くもって不可解ではあるが声の主が永琳の声だという確証が彼女にはあるのでてゐは疑問を口にしながらも、注射
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