アリス・マーガトロイドの秘密 そのB
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は優しい。
「そして、私が先に死んだら悲しむのは私ではなく、やっぱり魔理沙なの。『私』じゃあない。『魔理沙』が悲しむ」
だが、優しすぎる。
極端すぎる。優しさが、自己犠牲が行き過ぎた結果が、目の前の自覚のない狂気なのだ。
彼女は自分の行為は全て魔理沙の幸福に繋がると信じて疑っていない。魔理沙を人形にしたのも、魔理沙は自分がそばにいればそれだけで幸福だと思っているからだ。
――やはりここの恋愛観は狂っている。
「だから、ボス。私の魔理沙に手をかけるというのなら・・・・・・、それは魔理沙の幸福を邪魔していることになる。私はそれだけは絶対に許さない。――――あなたを殺すわ」
言い終わると同時に人形を四散させて一斉に弾幕を俺にめがけて放ってきた。規則正しく並んだ赤い弾幕が俺めがけて飛んでくる。
ババババババババッ!
「っ!!『キングクリムゾン』ッ!!」
今度は被弾する前に時を消し飛ばせた。だが、右足がそれで治るわけではない。アリスと俺との距離が離れているため、『キングクリムゾン』で攻撃しようにも届かないのだ。
このままじゃあジリ貧だ。状況を打開する策を考えなければ、出血の激しい俺が先に倒れてしまう。
そう考えている間に時が来てしまった。
「――――ッ!? 弾幕が消えた!?」
と、アリスにはそう見えただろう。消し飛んでいる時間は俺にしか認識できないのだから。
「人間のくせに一体、どういう能力を持っているかは知らないけど、上海と蓬莱人形の攻撃が利いたところを見るに・・・・・・」
と、彼女は懐からスペルカードを取り出した。
「戦符『リトルレギオン』」
アリスがそう唱え終えると彼女の懐から6体の剣を構えた人形が出現する。6体を同時に操るとは、さすが『人形を操る程度の能力』を持つだけのことはある。6体はアリスの前に出て円を描くようにゆっくりと回って――――突進してきた。
「今度の剣捌きはどうかしらァーーッ!?」
人形たちはひゅんひゅんと舞踊りながらこちらに向かってくる。一見美しい剣舞を見ているようだが明らかな殺意が込められていた。おそらく数十秒後には切り刻まれているだろう――――。
「・・・・・・ッ! だが、そんな未来は・・・・・・ッ!!」
俺は『キングクリムゾン』の能力を発動させる。そしてスタンドを操り自分を抱きかかえさせた。こうすれば俺が動けなくとも『キングクリムゾン』が満足に動けさえすれば移動は可能だ。
人形たちが消し飛んだ時の中で意味のない踊りを舞う中、俺はアリスの方では無く魔理沙の方に移動する。時間がない。『キングクリムゾン』を操作して俺をベッドに投げ捨てさせてまずは魔理沙から殺すことにする。
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