アリス・マーガトロイドの秘密 そのB
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夢』を見るのか確認するためだ。
だんだんと瞼が重くなる。『墓碑名』は依然として真っ暗な部屋を映し出すだけだ。まだ何も変化は起こっていない。非常に眠い。だが、寝る寸前まで目を開けておかなければ『墓碑名』で『悪夢』を予知することは出来ない。『墓碑名』で見れる未来はせいぜい十数秒先だ。つまり、『俺が瞼を閉じて』『眠りに落ちて』『悪夢を見る』までの課程をその『数十秒』に納めなければ『悪夢』は予知できないのだ。
既に3時間以上が経過し、アリスに貰った睡眠導入薬も効果を遺憾なく発揮している。おそらく一瞬でも瞼を深く閉じれば眠ってしまうだろう。だが、予知が『悪夢』を見るまでは・・・・・・眠ることが出来ない・・・・・・。
くっ・・・・・・い、意識が・・・・・・もう・・・・・・。
「・・・・・・」
瞼は鋼鉄のシャッターのように重く、ほとんど気力だけで目を開けている状態だった。だが、『墓碑名』はまだ『悪夢』を映し出さない。
く・・・・・・そ、まだなのか・・・・・・。
そもそもの仮説が外れていれば全くこの作戦は意味がないのだが、と。そんなことを考えていると余計に眠くなる。今はただ信じて未来を予知し続けることだ。そうしなければ・・・・・・。
「・・・・・・!!」
次の瞬間、『墓碑名』で映し出していた未来が急に何かを映し出した! ついに、来た!
その光景は西洋風の小さな小部屋だった。部屋の中心にカーテンで仕切られた大きめなベッドが一つある。
いや、十分だ。『思い出した』ッ!! これは確かに『悪夢』で見た部屋と同じだッ!!
「キ、『キングクリムゾン』・・・・・・」
俺は最後の力を振り絞り『スタンド』を出して――――。
時を消し飛ばした。
* * *
「・・・・・・ッ!!」
消し飛んでいる時の中で俺は奇妙な感覚を味わう。まるで体全体がどこかへと連れ去られるような・・・・・・そうか、これが『夢』に入っていく感覚か。まさかそんな感覚を得られるとは思いも寄らなかった・・・・・・。
次の瞬間。俺は先ほど『墓碑名』で見た景色と同じ場所にいることに気が付いた。俺は眠る直前に見た『墓碑名』の予知によって今まで見てきた『悪夢』を思い出していた。
ここには、あの『目玉のない幼女』がいる――――!
「目が・・・・・・冴えているな」
夢の中には眠気は存在しないらしい。まだ継続中の時飛ばしの中で俺はある物を発見する。
万年筆だ。俺が手の甲に突き刺したものと同一だ。
「間違いない。ここは『悪夢』と同じ空間だ・・・・・・一体どういう原理かは分からんが・・・・
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