アリス・マーガトロイドの秘密 そのA
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情は少し悲しそうに見えた。だが俺は気にする素振りも見せず「ありがとう」と礼を言う。
「どういたしまして。何か飲みたい物があったら淹れてきましょうか?」
「気が利くな。では・・・・・・コーヒーはあるか?」
「ごめんなさい、コーヒー豆を切らしてて・・・・・・」
「む、そうか。・・・・・・なら紅茶でいい」
「そういえば紅茶の茶葉も買い置きがありませんでした」
「・・・・・・じゃあ、牛乳とかでもかまわない」
「昨日の夕食で全部使い切っちゃって・・・・・・」
「じゃあ何があるんだ?」
「お茶なら、なんとか」
「最初からそう言えばいいじゃあないか」
「見栄を張ってみたかったんです。ボスが最初にお茶と言ったら成功だったんですけど」
「・・・・・・」
一体何のゴッコをしているんだろうか。緊張感が無い・・・・・・。
「いや」
違う、これはあえてそんな話題を提示して俺の緊張をほぐそうとしているのか?? もしそうだったら少しは乗ってあげなくては・・・・・・。
「だったら最初に言おうと思っていたお茶を頂こう。アリスの見栄は大成功になるだろう?」
「・・・・・・」
今度はアリスが黙ってしまった。何か変なことでも言ってしまったのではないかと思ったが。
「いやぁ、ボス。そういうのじゃあないんですよねぇ・・・・・・」
何故か気を落としながらアリスは部屋を出ていった。お茶を淹れに行ってくれたのだろうが、いまいち彼女の意図が掴めない。
女心なんて一生俺は理解できないな、と改めて感じた。
そして時間はたち、夜――――。
俺はまさに寝ようとしているところだ。
第14話へ続く――――。
* * *
あとがき
そういえば、前話から語りがディアボロに変更されていますが、違和感無いでしょうか? 私は時々ナレーションベースで書いてしまったり、途中でディアボロっぽくない言い回しが発生したりと結構大変です。
えー、今回はボスが悪夢にうなされる話ですね。これはボスのトラウマのせいなのか、はたまたスタンド攻撃なのかは現在教えられませんが、察しの良い人はすぐ分かるんじゃあないでしょうか。
おそらく、この作品でぶっちぎりの善人はアリス・マーガトロイドです。彼女の9割は優しさで出来ていると言っても過言ではありません。
次の第14話で話が急転するハズなので楽しみにしていただけたら幸いです。
では、また14話で。
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