アリス・マーガトロイドの秘密 そのA
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―。
* * *
「うわあああああああああああッ!!!!」
「ぼ、ボス!?」
俺は目を醒ました。ヒドい汗をかいている。息も絶え絶えで焦点が定まらない。
「は、はぁ・・・・・・あ・・・・・・?? お、俺は・・・・・・何を?」
――――だが、一体先ほどまで俺の身に何が起こっていたかは完全に忘れてしまっていった。
「酷い夢を見ていたようですが・・・・・・」
近くにはアリスもいた。俺の尋常ならざる様子を見て心配して来てくれたのだろう。
「・・・・・・夢? ぐっ!?」
彼女の言葉に何か違和感を覚えていると、突然左手に痛みを感じた。何なんだ、と思って見てみると俺の左手の甲には直径1センチ程度の穴が開いており、血がどくどくと溢れていた。
「これはっ・・・・・・!!」
「怪我をしてます! すぐに治療を・・・・・・」
アリスは慌ててリビングへと戻っていった。だが、俺にとって怪我の治療など二の次だ。考えるべきことがある。
何故こんな所に怪我を・・・・・・いや、問題はそこじゃあない。
――――いつ、俺は怪我をしたんだ?
「・・・・・・夢、俺は寝ていたのか?? 確かに記憶が曖昧になる以前と同じ机に座って、目の前には読みかけの本もある。 そしてアリスが言うには『酷い夢』にうなされていたらしいが・・・・・・」
当の俺は一体どんな夢を見たのか、はたまた本当に俺は夢を見ていたのかさえ覚えていない始末だ。こんなことが二度続けて発生しうるのだろうか?? 単なる疲れからくる睡眠障害の一種で片付けられる問題だとは思えない。
「何かが俺の周りで起こっている・・・・・・?」
だが、ここにいるのは俺とアリス、あと騒がしい人形たちだけだ。ほかに人間の気配は無いし、ここは魔法の森のど真ん中。妖怪や妖精以外ここに来るものは滅多にいないだろう。
じゃあ、一体誰が? 俺の思考はそこまでで頭打ちだった。
「とにかく・・・・・・『何かが』起こっているというわけか・・・・・・。現状俺は外には出れない。ここで乗り切らなくてはならない・・・・・・ッ!!」
見えない何かが迫る。恐怖とともに、どこかこの緊張感は懐かしい気がした。
* * *
「これでよし、と」
手の甲に巻かれた包帯の結びを確認しながらアリスはそう言った。
さすが、全ての人形を手作りで作るだけのことはある。応急処置もかなり手際がよく、痛みはあまり気にならないくらいだ。
「・・・・・・何でも出来るんだな」
俺はつい、そうこぼすとアリスは苦笑して「そんなことはないですよ」と謙遜する。
「手先は器用でも、他人には不器用なの」
そう言ってみせた彼女の表
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