アリス・マーガトロイドの秘密 そのA
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うとするが――『キング・クリムゾン』は現れなかった。
「――――ッ!! な、何ィィーーーーーッ!! 『キング・クリムゾン』も、『墓碑名』も使えないなんて・・・・・・はッ!?」
何かの気配を感じ取り俺は慌ててベッドから距離を取る。すでに俺は正気ではなく、スタンドが使えないことと、目の前の幼女のせいで完全にパニックに陥っていた。
「はぁーッ! はぁーッ! あ、ありえない・・・・・・な、なんなんだこれはッ!?」
そのときだ。動揺する俺の耳に再びあの声が聞こえる。
「――――ケテ」
「ひっ!? ま、またこの『声』だ・・・・・・」
「タスケテ――――ワタシヲ――――タスケテ」
「・・・・・・く、うるさいッ! これは・・・・・・悪い夢だッ・・・・・・! 早く醒めてくれッ・・・・・・。早く、クソ・・・・・・」
「タスケテ、ワタシヲ、ミツケテ」
次第に声が大きくなる。はっきりとした単語に聞こえてくる。
「う、うおおおおおおおおお!! 醒めろッ!! 『醒めろ』ォォォーーーーーーーッ!!!」
俺は腰を抜かしながら後ずさる。その時、手が何かに触れた。見ると万年筆が落ちていた。
「頼むッ!! 『醒めて』くれェェーーーーーーッ!!!」
俺は何が起きているのか、全く訳も分からないままその万年筆を思いっきり左手の甲に突き刺した!
「ぐううううああああああああッ!!」
左手に走る激痛に思わず大声を上げる。
だが、夢は醒めない。なぜだ? 何が起こっているんだ・・・・・・?? まさか、これもレクイエムの効果か??
「タスケテ、ハヤク、ワタシヲ」
「うるさいッ!! くそ、くそぉぉーーーー!!」
俺は万年筆を抜きその辺に叩きつけた。夢が醒めない。いや、これは果たして本当に夢なのだろうか??
「タスケテ、タスケテ、タスケテ」
声の主はただそれだけを繰り返していた。機械的な声。『タスケテ』とだけを繰り返していたのだ。正直助けて欲しいのはこちらの方だ。幼女発生のこともあって、俺はまともな判断が下せないでいた。
「ワタシヲ、タスケテ、ミツケテ」
見つけて、助けて、声の主はひたすらにそう繰り返すだけだった。それ以外、なにもしてこなかった。
「・・・・・・な、何なんだ本当に・・・・・・何が・・・・・・全く理解できない・・・・・・」
完全に怯えきっていた俺はいつ死が訪れるのかそれだけが気がかりだった。声のことなど全く耳に入らなかった。
「タスケテ、タスケテ」
次第に大きくなる声。そう、まるで自分の背後に近付いているような・・・・・・。
「ハヤクワタシヲミツケテ」
ついに俺の耳元で声が囁かれたとき―――
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