アリス・マーガトロイドの秘密 そのA
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「く、クソ・・・・・・」
壁つたいに歩くのが限界だった。疲れがたまっているのか? それとも、俺の体に何かが起きているのか・・・・・・。
「まだ寝てた方が・・・・・・」
アリスは俺を気遣ってくれているが、そんな時間はない。これ以上ここに迷惑をかけるわけにもいかないのだが、それ以上に彼女に俺の本質を知られてしまうのは嫌だった。
「いや、大丈夫・・・・・・だ。先に部屋に行っててくれ。すぐに俺も行く・・・・・・」
正直体は重かった。近くのイスに一旦腰掛けてアリスにそう伝えると彼女は「じゃあ・・・・・・」と渋々了承してくれた。おそらく朝食の準備中だったのだろう。アリスは足音を立てながらキッチンのある部屋に戻っていった。
「・・・・・・」
この部屋には窓がついている。俺は外を眺めていると霧が発生しているのが分かった。霧は薄い緑色をしていて危険そうだ・・・・・・あとでアリスに尋ねるか。
がたっ
また二階で音が聞こえた。昨日アリスが言っていた人形のじゃれあいか。人形はすべて自律で動いているのだろうか? スタンドの自動操縦型のようだな。
俺がそんなことを考えているとコンコンとドアをノックする音がする。
「ボス、朝食ができました。部屋まで来れますか・・・・・・?」
「あぁ、すぐに行く」
ドア越しに聞こえたのは優しく語りかけるアリスの声だった。俺はすぐに返事をしてドアを開ける。
「本当に大丈夫ですか?」
「あぁ、大分落ち着いてきた。朝食を頂こう・・・・・・。それと、今日は霧が濃いみたいだが人体に害はないのか?」
「あ、それについて今から話そうと思ってました。朝食を取りながら話します」
「分かった」
俺はドアを閉めてリビングに向かう。そこに入ると目玉焼きとトーストのいい香りが鼻の奥に広がった。また、部屋は暖かく昨日の晩には点いていなかった暖炉に火が灯されている。彼女が俺の体調を心配して点けてくれたのだろう。部屋はかなり暖かい。
「どうぞ、席についてください」
促されるまま席について料理を見る。目玉焼き、ポテトサラダ、ミニトマト、バターの乗ったトースト、そして昨日頂いたスープ。ドッピオも永遠亭で似たような洋食を食べていたが、こっちの方が断然美味そうだ。見た感じ、怪しい食材や毒物っぽいものは含まれていない。
だが俺はいつものクセでアリスが食べ始めるのを待ってしまっていた。
「ふふっ、毒は含まれてませんよ?」
そんな俺の猜疑心を見たのか、俺の皿からポテトサラダを一口取ってアリスは自分の口の中に運んだ。ほらね? と言いたげな表情で笑うと俺の警戒も完全に無くなり。
「あぁ、いや。いつものクセでな。アリスを疑っているわけじゃ
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