アリス・マーガトロイドの秘密 そのA
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記憶を失っているのも俺にかかっている『GER』の効果のせいだろう。平穏な生活はこの因縁を断ち切るまで――――『試練』を乗り越えるまでは望めない・・・・・・)
とかく、自分のすべきことは『スタンド使いになった幻想郷の住民』についての情報を得ることだろう。これまでの経験から明らかに『スタンド使い』を増やし、俺やジョルノを狙っている奴がいる。おそらくはドッピオが闘っていたとき、姉の吸血鬼が言っていた『ユカリ』とか言う奴の可能性が高い。
俺やジョルノを狙う理由は分からないが、『スタンド使いを増やす』ことが可能なのはDISCと『矢』の能力だけだ。そして一人で大量のDISCを所持することは可能性としては十分低い。
つまり、『矢』は『ユカリ』が持っている可能性がある。
(まだ憶測の域は出ないが、いずれにせよ『矢』がこちらに来るのはほぼ確実だろう。『矢』さえ手に入れば、俺は・・・・・・)
まずは情報を集める必要がある。それに先立つのは体力である。
俺はそのまま睡眠へとゆっくり落ちていった。
* * *
誰かが俺を呼ぶ声が聞こえた。
「――――ケテ」
気のせいかもしれないが、それは再び聞こえた。
「――――タスケテ」
タスケテ。そう、助けを求める声が聞こえる。どこからともなく、上から聞こえるようでもあり、下から聞こえるようでもある。
「だ、・・・・・・誰だ?」
俺は目を開き、かすれる声でそう呟いた。そして、目の前にあったものは――――
「ワタシヲタスケテ――――」
目玉をくりぬかれ、その黒い虚空から真っ赤な涙を流す、悲しげな『幼女』の姿が――――。
「うわあああああああああああああああああッ!!!!」
突然、俺はベッドから跳ね起き大声で叫んだ。体中に嫌な汗が滲んでおり、動悸も激しく、呼吸は口でしなければ困難なほどだった。
「はぁっ、はぁっ!?」
だが、次第に頭が冴えていく。そして俺はどうしてこんなに焦ってしまっているのか。一体何に怯えているのかを忘れてしまった。
今のは夢だったのか? そのことさえも記憶から消えていた。
「どうしたの!?」
俺の叫び声を聞いてアリスが部屋に入ってきた。彼女は彼女で俺が再び発狂したのではないかと思い、急いで飛んできたようだ。だが、俺には説明できなかった。
「い、いや・・・・・・すまない。何か、何かを見てたようだ・・・・・・」
「悪い夢にでも魘されましたか・・・・・・? 大丈夫ですかボス?」
「大丈夫だ・・・・・・心配をかけた」
俺は顎を伝う冷や汗を拭ってベッドから降りる。少しめまいがし、ふらふらとした足取りで部屋を出るが・・・・・・。
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