アリス・マーガトロイドの秘密 その@
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とんど人間と差し支えがない。表情も固定されていないのも、人間味を帯びている。
「その子は『上海人形』。首を吊っているのが『蓬莱人形』。踊りと歌が好きなのが『西班牙人形』。槍術が得意なのが『仏蘭人形』。小さいのから大きいのまでが『露西亜人形』。それから・・・・・・」
彼女は楽しそうに人形についての紹介を始めた。彼女のせりふと共にどこからともなく「ホウラーイ」や「オルレアーン」などと言いながら人形たちが現れる。一度は恐れていた『幼女』だが、人形と分かれば何故か恐怖心も沸かなくなっていた。
「・・・・・・本当に人形が大好きなんだな・・・・・・」
がやがやと騒ぐ人形たちに囲まれて彼女は幸せそうに頷いた。
がたんっ
「む、二階からか・・・・・・? 何かが倒れるような音が・・・・・・」
おそらく二階からだろう。するとアリスは「あっ・・・・・・」と声をあげて「また私の人形が喧嘩してるみたいね・・・・・・」と呟いた。
そんなアリスを見てふと笑いが出てきてしまった。
「ふっ・・・・・・賑やかだな、ここは」
「あら、ボスは賑やかなのは嫌い?」
本当は静かな環境が好きなのだが俺はそう言う気にもなれず――。
「悪くないな」
本心からそう言った。
* * *
場面は移り変わり、ここは永遠亭。
「・・・・・・」
心を破壊された鈴仙・優曇華院・イナバは呆然と病室の床にへたり込んだままだった。
すると、彼女の膝に水があたる感覚がする。何だ、と思い足下を見ると水色の液体がそこにはあった。それはどこからか流れ出ており、出所を確認すると『壁』だった。
「・・・・・・あ」
鈴仙はおもむろに立ち上がり、病室の戸棚から大きめの瓶を取り出す。そして、無意識のうちに瓶のふたを開けてその液体を手で掬い取って瓶の中に入れた。
彼女はほぼ無意識の行動だったが、それは正しかった。なぜなら『もしピンチのときに』と永琳が何度も何度も鈴仙に教えていた緊急時の対策だからである。
「――――優曇華、もし私が動けないときは『瓶』で私を詰めるのよ。入れ物だったら何でもいい。不死である私が戦力外になるとき、それはきっと何かに捕まったり全く動けない状況になるときよ。そうなった場合、私はとある薬を体内で作り出して自分に服用するわ」
その薬とは『服用した者を液体に変える薬』だった。幻想郷が管轄ではない死神と共同で開発した薬である。永琳はそれを錠剤として体内で服用できるようにし、その死神は持っている武器にその効果を付与したという。
ちなみに、もう一つ。輝夜の能力を利用して生み出した薬もあると言うが、鈴仙はそこまでは聞かされていない。
永琳は鈴仙にそう教え込んだ。数十年以上
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