アリス・マーガトロイドの秘密 その@
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女』が出現することなんて、一度もだッ!! おそらくは到底予想も出来ないような死が発生するに違いない。
そう、それこそ『生き地獄』を永遠に見せられるはずだ。
死にそうで死なない一線をふらふらと綱渡りするように、いたぶり、蔑み、そして殺す。
「や、やめろおおおおおお!! い、嫌だ・・・・・・『予知』、予知が・・・・・・出来ないッ・・・・・・!? お、やめろッ、側に来ないでくれ・・・・・・」
完全に気が狂ってしまっていた。ただ恐怖を目の前にした子供のように叫ぶしかなかった。動揺が最高潮に達し、呼吸もままなら無い。もちろん、そんな精神状況下で上手くスタンドが扱えるはずもなく、『墓碑銘』は全く未来を移しこめはしなかった。
「お、俺のそばに近寄るなアアァァァーーーーーーーッ!!」
「ボス!!」
と、俺の右頬に鋭い衝撃が走った。
「――――はっ!?」
突然の出来事に頭が混乱する。なぜ、なぜ俺の頬に衝撃が走ったんだ? いや、それよりも俺のことを「ボス」と呼ぶのは・・・・・・一体誰なんだ・・・・・・? そして、この全身にかかる重さは、暖かさは・・・・・・一体。
「――――落ち着いてください。あなたの過去に何があったかは分かりませんが、この子たちは大丈夫です」
「――――あ」
アリス・マーガトロイドは我を完全に失った俺を優しく抱き、宥めるように優しく言った。その言葉で視界が再び色を取り戻し、安定していく。
「落ち着きましたか?」
アリスは恥ずかしそうにしながらも真っ直ぐ俺の目を見て言う。もちろん、俺は「あ、あぁ・・・・・・」とそら言のように頷くだけだった。
「えっと、何かトラウマがあるようですね・・・・・・。あなたのことは詳しくは知りませんが、この子たちは安全です。ですが、何も知らなかったとは言え非常にあなたを動揺させてしまったことを深く謝ります。ごめんなさい」
俺は言葉を失った。それは俺が恐怖によって何も言えなかったからではない。このとき俺はアリスが何を言っているのかはほとんど理解できていなかったが、一つだけ分かった。
彼女の『優しさ』が心で理解できた。
しばらく呆然としていた俺の頬に何かが伝い、落ちていく。今まで一度も感じたことのない感覚――――。
「何か辛いことがあったんでしょう・・・・・・。思い起こさせた私が言うのも間違っているかもしれませんが、もう安全ですよ、ボス」
そのまま俺は――彼女の腕の中で再び子供のように叫んでしまった。
* * *
「・・・・・・すまない。取り乱してしまって・・・・・・」
落ち着いた俺は椅子に座って彼女と話していた。
「いえ、重ねて言うようですが私も悪かったです」
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