恐怖!紅魔館の悪魔たち そのC
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永琳はにこやかに笑っていた。
「・・・・・・」
鈴仙は能力に集中していた。それは『狂気を操る程度の能力』。相手の瞳を見て幻覚や半狂乱に陥らせたりする能力である。
ちなみに作戦は至極簡単。あの二人が盛っている隙に鈴仙が片方の気を狂わせて共倒れにしようという作戦だ。スタンドで戦ってくれ。
「これで姉一人に絞れたわ。さぁ、貴方たちやっておしまい」
「口調変わってるよ」
永琳は頃合いを見て鈴仙に能力解除を命じ、スタンドで攻撃するように言った。スタンドはスタンド使いでしか倒せない。永琳はそれを知っているから攻撃しないのである。
「『墓碑名』!」
「『セックスピストルズ』!」
二人はスタンドを出して恍惚の表情のレミリアに襲いかかる。
「ヨッシャアアアアアア!!」
「ブチヌクゼテメェエエエエラァァァーーーー!!!」
「キャッホーーーー!!」
鈴仙は弾幕を可能な限り展開し、ドッピオはそのまま突っ込む。弾幕はドッピオを取り巻く形で進んでいくがドッピオに当たることはない。事前のうち合わせ通りだ。
――――と、ここでレミリアが我に返った。
「――――ハッ!?」
「もう遅いッ!! 喰らえクソサイコレズヤロォォーーーーーー!!!」
ドゴォッ!!
と、ドッピオはレミリアに『墓碑名』の拳を叩き込む。そして息をつかせぬままレミリアの全身に『セックスピストルズ』による支援弾幕が叩き込まれた。
* * *
ドッピオはすぐに体勢を立て直し『墓碑名』で十秒後の未来を見る。そこに写し出されたのは「全身を弾幕に打ち抜かれ、右腕はもげ、断末魔を叫ぶレミリア」の姿だった。確実に自分たちの攻撃が効いた証拠だった。
「――――どうよ、ドッピオ! 未来はっ!?」
「カンッペキだぜぇーー鈴仙!! ばっちり、奴は死にかけだ!」
その言葉を聞いて鈴仙は安心する。てゐから聞かされていたドッピオの未来予知は必ず起こる現象である。しかし、もしレミリアが運命を変えようとしてもそれは体調が万全の時に限るはず。
「勝ったわ! 確信できるッ!」
鈴仙がそう言った直後、レミリアの叫び声が挙がった。
「GYAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
全身から血を吹き出し、喉をバリバリとかきむしりながら彼女は悶えていた。
ドッピオの言っていた未来予知の通りだ。レミリアはこれで死ぬ。――――と、思っていると。
「・・・・・・変だ、レミリアの右腕がまだ『繋がっている』」
彼はそう言ったのだ。
「――――はッ!?」
そういえば、と鈴仙は思う。ドッピオは顔面を殴り付け、鈴仙は『セックスピストルズ』には全弾急所を狙わせたのだ。『右腕』がもげるなんてあり得ない。そこに攻撃は当たっていないのだから――
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