恐怖!紅魔館の悪魔たち そのC
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・・・まぁ、今の『キング・クリムゾン』がある状態なら負けることはまず無いと思うが・・・・・・あの姉妹のような妖怪はゴメンだ)
ディアボロはまだ真っ暗の魔法の森を見渡す。次第に目が慣れていき、周囲に見たことがないキノコや不自然な形をした花が咲いていることに気が付く。
「ふん・・・・・・、予想死因に『中毒死』が加わったな」
二日ぶりくらいの『予想死因』に若干の懐かしさを覚えつつ、ディアボロは『墓碑銘』で未来を確認しながら歩を進めた。
現実世界とは違い、幻想郷ではレクイエムの効果が薄くなっているのか、ディアボロに襲いくる『死因』は1時間おき程度まで減少していた。
と、ディアボロが『キング・クリムゾン』で死ぬ瞬間の時(ほんの1秒程度)を飛ばしながら進んでいるととある民家を見つける。
それは普通の洋風の一軒家だった。
(・・・・・・民家か。妖怪に襲われる危険が減るだけでもましか)
彼はそう判断してその魔法の森に佇む民家をノックした。
「・・・・・・すまんが、道に迷ってしまったんだ。泊めてくれはしないか?」
当然、返事はない。ディアボロは現在の時刻が分からないため無理はないだろう。彼は知る由もないが現在の時刻は午前3時。ふつうの民家なら誰も起きていないはずである。
だが、なぜディアボロはこの家をノックしたのか?
答えは簡単だ。『家の窓から暖かい光が爛々と漏れだしていた』からだ。当然、ディアボロの頭ではまだ時刻は深夜を回っていないと思っただろう。
――――もちろん、魔法の森という辺境の地で午前3時という真夜中にも関わらず部屋の明かりがついているような家はまともではない。
ディアボロがしばらく待っているとドアがガチャリと開いた。
「・・・・・・こんばんは、ごめんなさいね。ちょっと出るが遅れちゃって」
民家から出てきたのは肩に掛かる程度の長さの金髪でカチューシャをし、青い瞳をした見た目18歳程度の女性だった。若干『幼女』かと思い身構えたがどう見てもせいぜい『少女』が限界である。ディアボロは心を落ち着かせながら尋ねた。
「すまない、こんな夜更けだが・・・・・・一晩泊めてもらえないだろうか? 妖怪に襲われそうで・・・・・・」
するとその少女はにこりと笑顔を作って頷く。
「構いませんよ。どうぞ、いらしてください」
意外だな、とディアボロは感心した。こんな狂った世界にもこんなに優しい人物がいるとは。まるで自分とは対極にいるようだ。
――――彼女は礼儀正しい態度でディアボロを迎え入れた。
現在時刻は午前3時。明らかに怪しいという疑問を持たず、ディアボロは民家に入ってしまった。
第12話へ続く・・・・・・
* * *
後書き
というわけでボスと
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