恐怖!紅魔館の悪魔たち そのB
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!!!」
妹紅の怒りは最高点に達し、全身に炎をたぎらせた。今の彼女に近付けば一瞬で消し炭だ。
「怒ってるの?」
と、首を傾ける。その行為は妹紅の熱を更に上げる。
妹紅はフランドールに飛びかかる。弾幕を展開しながら自分で突っ込んでいく。足に高温の炎を集中させ、フランドールの脳天を蹴り抜くために。
だが、フランドールは慌てない。
「『クレイジーダイアモンド』」
彼女のすぐ前にスタンドが現れる。それは先ほどレミリアに見せた『見るものを不快にさせる』ようなスタンドだった。
もちろん、スタンド使いではない妹紅にその姿を視認することは出来ない。彼女はそのまま突っ込んでいくが――。
「ドシャアアアアーーーーーッッ!!!」
フランドールのスタンド、『クレイジーダイアモンド』は耳をつんざくような奇声を発しつつ拳で弾幕を相殺する。妹紅の目には突然、何もない空間で弾幕が消えたように見えただろう。何か、ヤバいッと思うが勢いは止まらず――。
ドズンッ!
「がっ・・・・・・!? か、はッ・・・・・・」
『クレイジーダイアモンド』は逆に妹紅の鳩尾を蹴り貫いた。
何も無いはずなのに、見ることも感じることも出来ない何かが自分を貫いている。妹紅は頭に疑問符を浮かべながら塊のような血液を吐き出した。
対するフランドールはスタンドを片足立ちのままにして、妹紅を高く串刺しに固定したまま側でボロ雑巾のように転がる慧音を掴んだ。
慧音は気絶しているのか、少しも動く気配はない。
「ね、ね、見てよ。傷口、これ火傷で酷いよ。きっともう治らない。もうずっと、この人はこのままなんだよ? 可哀想だね」
「・・・・・・ッ!!」
妹紅は見えない何かに串刺しの状態で慧音の痛々しい姿を見る。自分は何をしているんだ。慧音が死にかけているのに、死ぬことも出来ない自分は何も出来ないなんて・・・・・・。
悔しそうに顔を歪ませる妹紅を見てフランドールはにこりと優しい笑みを浮かべて――――。
「でも大丈夫! 私がちゃんと『直』してあげるよ」
と、『クレイジーダイアモンド』は両手で慧音の肘から先のない両腕を包み込み、能力を使う。
『クレイジーダイアモンド』は殴ったものや触れたもの、破壊したものを治す能力を持つ。本来はとても優しい力なのだが――――。
彼女の狂気は止まるところを知らない。
「――――ッ!!?」
妹紅の目は見開かれた。そして、もう声も出せずにいた。
彼女の目に映ったのは、怪我一つ無い慧音のきれいな腕。先ほどまで大火傷で大量に出血していた腕の怪我が完全に治っていた。
だが、それはもう『腕』じゃなかった。
「け、・・・・・・い・・・・・・・・・・・・ね」
喉から絞り出せたのはそれだけだった。唇がワナワナと震える。
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