恐怖!紅魔館の悪魔たち その@
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する。・・・・・・と思ったら座薬じゃない。ジェル状唐辛子だった。
「・・・・・・・・・・・・っッッっッ!??!?!?!」
声も出せない、と言った表情でてゐは地面にもんどり打つ。まるでこの世の地獄を体言しているようだ。
「あら、てゐ。理由が聞きたいのかしら?」
「〜〜〜〜〜〜!?!?!?!???!!!?」
うふふ、と永琳は笑っているが当のてゐにそんな声は耳に入らない。いや、もうこの月の御仁は何考えてるか皆目見当もつかない。
「理由なんて求めてはいけない。そうね・・・・・・強いて言うなら――」
永琳は底知れない笑みを浮かべて
「楽しそうだから」
彼女の暗躍は留まるところを知らない。
* * *
こちらは幻想郷のどこかにあると言われている大妖怪、八雲紫の邸宅である。
「・・・・・・ただいま戻りました」
と、そこに橙が帰ってきた。
「!! お、おかえり橙! 大丈夫だったか??」
橙の帰りを待ちくたびれていたのか、八雲紫の式であり、橙の使役者である八雲藍がすぐに玄関へとやってきた。
「け、けがをしてるじゃあないか! ちょっと待っててね今救急箱を取りに行くから」
(――――やっぱり、藍様は任務ではなく『私の心配』だけを――)
橙は藍の反応を見て悔しかった。慌ただしく救急箱を取りに行く藍の姿を見て、自分が信用されていないことが身に染みたのだ。
――――だから私は『八雲』じゃあないんだ・・・・・・。
そんな考えが首を擡げてくる。
するとそこに
「・・・・・・おかえり、橙。意外と早かったわね」
八雲紫が姿を現した。
(――――紫様は『任務』も『私』も見ていないのか・・・・・・)
分かっていたことだが、永琳に改めて指摘されてこれでもか、というくらいにその事実は橙の心に刻み込まれた。
「申し訳、ありません・・・・・・。任務は失敗して・・・・・・しまい、・・・・・・ぐすっ」
情けない、自分が情けない。この報告も紫にとってして見れば形式的なことでしかない。『任務』を与えられて『失敗』の報告までが流れ作業。そこになにもドラマが生まれない。
自分はただ紫様が探りを入れるために投入されるその辺の石ころとなんの変わりもない。水面に波紋をおこせればそれでいい。ただ少しだけ違うのはその石が少しの時間を置いて手元に帰ってくるだけである。
橙は理解していたつもりだった。でもそれは目を背けていただけだった。『失敗報告』で泣いたことは何度もあったが、それは『失敗』したことに対する涙だった。流れ作業の内の一つだった。
「・・・・・・橙」
藍は救急箱を持って玄関へと戻って来たが、紫と橙が対峙している今自分がしゃしゃり出るべきではない、と判断していた。
その時、紫は口を開いた。
「――
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