『八雲』橙がやってくる!
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鞭はよく見る通常の弾幕用に使う奴だ。
「関係ない! どんなスペカだろうと『私』で突破すれば!」
「ボム突破かい? 芸が無いねぇ・・・・・・得意のスタンドで突破すりゃいいじゃないのさ」
「ムカチン!」
挑発に乗った橙はスペルカードを使うのを止めて、てゐに向かって全速力で直進する。
「一本道に誘い込めば私の速さに対応できると思ったのかっ! あんたの鞭弾幕はよく見慣れてるから避けるのは簡単だ!! 食らえッ『牙』と私の身体能力が合わさった更なる応用編ッ!」
橙は両手の人差し指、中指、薬指を中心に合わせてハーレーも真っ青なもの凄いスピードで疾駆し、てゐの懐まで潜り込む!
「くっ!? 速い――――」
てゐは予想外の橙のスピードに驚き鞭状の弾幕を繰り出すが僅かな隙間を縫ってグレイズしていく橙。
ついに、射程圏内まで橙に進入を許してしまった。
「遅いぞてゐ! とどめだッ!」
そのまま橙は指先から爪弾を発射する――――。
「と、思うでしょ?」
ハッと橙が顔を上げたときにはもう遅い。どこからともなく現れた数個の高速の弾幕がすでに橙の目と鼻の先にあった。
(い、何時の間にッ! 予備動作も一切無しにッ!? ま、まずい・・・・・・被弾する・・・・・・)
ドバドバドバッ!!
橙は『牙』を発射するがてゐにそれらが当たる前に――――。
ボボボボボッ!!
「にゃああああああ!?」
てゐの弾幕の餌食となった。
「――――予備動作ならあったウサ」
てゐは『牙』の爪弾をかわしており、倒れゆく橙に向かって言葉をかける。
「これが私のラストスペル『エンシェントデューパー』。レーザーで相手の逃げ場をなくし高速の弾幕をいくつも浴びせる『ザ・初見殺し』。レーザーと高速弾の発生には多少のタイムラグが設定されているから大体の奴は油断してやられちゃうウサねー」
(――た、タイムラグ!? そうか、スペカ設定の際、自分の弾道をいじれるけど・・・・・・こいつはあらかじめ相手が油断してしまう一瞬の隙を突くタイミングで・・・・・・にしても)
「『ラストスペルを一番最初に使うなんて卑怯』とでも言いたいウサか? 甘いウサ甘いウサ! あんたは一体誰を相手に弾幕ごっこを仕掛けたと思ってるのさ!」
どさっ、と涙目で倒れた橙に向かっててゐはあっかんべーをしながら
「『相手が勝利を確信したとき、そいつは既に私に騙されている』! 卑怯も詐欺も盛大なる褒め殺し! 見事に騙されてくれて兎詐欺冥利に尽きますなぁ」
と、言い捨てる。
「・・・・・・ぐうの音も出ない」
悔しそうに唇を噛みしめる橙に対し、てゐは快活に笑いながら叫んだ。
「お粗末っ!」
・・・・・・第8話に続きます。
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